レイズの戦力分析②
スモール・バジェットのチームゆえに補強に大金をつぎ込むことはないが、それでも昨年は96勝66敗の東部地区2位で13年以来のポストシーズン進出を果たした。
15年から監督を務めるケビン・キャッシュのもと「オープナー」などの新戦術でヤンキース、レッドソックスの2強に挑むシーズンが続いている。前回の「攻撃陣」に続いて今回は「投手力」を見ていきたい。
【先発ローテーション】
1 チャーリー・モートン
2 ブレイク・スネル
3 タイラー・グラスノー
4 ライアン・ヤーブロー
5 ヨニー・チリーノス
【クローザー】
ニック・アンダーソン
投手力は?
MLB30球団中、防御率4位だった先発ローテーションは、開幕の遅れで左ひじを治療中の左腕スネルも間に合いそうで、チャーリー・モートンとブレイク・スネルの左右エースに若手26歳右腕タイラー・グラスノーが続く昨年と同じ顔ぶれでスタートできそうだ。
短期決戦になりそうなシーズンで3本柱が確立しているチームは有利と言える。
心配なのは、同1位だったブルペン。エミリオ・パガンをパドレスへトレード。66試合で70イニングに登板し、20セーブ、防御率2.31、与四球率1.7、奪三振率12.3だったクローザーを放出したのは大幅に戦力ダウンだ。
新クローザー候補のニック・アンダーソンは昨年、100マイル近いフォーシームと2種類のスライダー、ブレーキの利いたカーブで奪三振率15.2、制球もレイズに移籍後は与四球率が3.3から0.8と大幅に改善。
マーリンズとレイズの2球団合計で68試合65イニング、5勝2敗1セーブ、防御率3.32、110奪三振を記録した。ただ、メジャー経験が1年しかなく経験不足だ。
そのほかのブルペン陣に移動はないので、クローザーだけが不安定要素といえる。
総合的に投手力はAに近いBクラス。組織全体ではプロスペクトが、BP、BA、MLBランキングで全体100位以内が9人も所属しており、このファーム層の充実が、このチームの強みといえるかも知れない。その中から数人が近いうちにメジャーに昇格するだろう。