MLB メジャーリーグ物語

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カブスの21年FA問題 リゾ、バイエズ、ブライアントら主力の去就は?

新型コロナウイルスパンデミックの影響で開幕が遅れているが、そんな状況を察してか主力選手の中にはトミー・ジョン手術に踏み切るなど、この長期的な自粛期間を利用して来季以降に備える選手も現れている。

 

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カブスの21年FA問題

 

労使交渉が進展せず7月4日の開幕も危ぶまれてきたメジャーリーグの2020年シーズンだが、仮に今季が1試合にも行われなかったとしても選手たちにはサービスタイムが1年分加算され今オフにはフリーエージェント(FA)の権利を手にする選手がいる。

 

 

主力が続々とFAになるカブス

 

先日、MLB公式サイトが選んだ20年オフのFA選手トップ20」と題して今季終了後の注目のFA選手を紹介したが、21年オフにはシカゴ・カブスの主力選手たちが続々とFA権を手にすることから今オフから来季にかけての再契約問題が浮上している。

 

チームに残るのか、それともチームを去るのか、「去就問題」を抱えることになりそうだ。

 

 

コア選手の放出で戦力バランスに変化

 

クラブハウスで中心的なアンソニー・リゾ一塁手は21年が1650万ドルで来季の球団オプションの行使が確実。ハビアー・バイエズ遊撃手は、すでに契約延長交渉が行われていると伝えられていたが、コロナ禍で交渉は止まっているという。

 

バイエズは今季、年俸調停を回避して年俸1000万ドルで合意したが、21年終了後にFAになる。MLB.comの記事では「僕たちは合意を目指していたけど、今は全てがストップしている。球界の動きがストップしてからは(契約延長について)何も話し合っていないよ」と、今回のコロナ騒動で交渉自体が延期されていることを本人がコメントしている。

 

クリス・ブライアントは、本来なら今季終了後にFAとなるところだが、カブスがデビュー時期をずらせるサービスタイム(MLS)の操作により1年延びて21年終了後にFAになる。FAになれば三塁手が欲しい複数の球団からオファーがあるだろう。今季は1860万ドル。

 

ブライアントは18年シ-ズンが故障の影響で102試合の出場にとどまったが、キャリア5年で138本塁打、通算OPS.901とハイレベルな数字を残しており、16年のMVPで、すでにオールスターにも3度選出されている球界を代表する三塁手だ。今季もそれなりの数字を残せば年平均で2500万ドルから2600万ドルぐらいの価値はある。

 

そのほかチームのコアな選手ではカイル・シュワーバー外野手も21年終了後にFA権を得る。今季のライナップ予想の1番打者から4番打者までが場合によっては他球団へ流出可能性もある。

 

カブスは今季終了後にもタイラー・チャットウッド投手、ホゼ・キンターナ投手、ジェレミー・ジェフレス投手といった実績ある投手たちがFAになる。左腕のエース格ジョン・レスターも21年は2500万ドルのべスティング・オプションで来期以降も球団に残るかどうかも不透明。

 

こうした状況を見ると全米を代表する人気球団シカゴ・カブスも今後の交渉次第では戦力が大きく変動することになる。