昨年の「プレミア12」で出場権を逃したアメリカ代表
東京五輪は開催して欲しいが、予定通り開催されればアメリカ代表の編成が面白いことになりそうだ。
2月29日、メジャーリーグ機構、メジャーリーグ選手会、世界野球・ソフトボール連盟がメジャーリーグ40人枠内の選手のうち、アクティブ・ロスター(26人枠)に登録されていない選手を各国代表チームに派遣可能とすることで合意に達した。
メジャーリーグでは通常40人枠がメジャーリーガー(大リーガー)という扱いになる。そのうちベンチ入りできる26人がアクティブ・ロスターと呼ばれる選手たちで、日本のプロ野球風に表現すればベンチ入り選手たちだ。
このベンチ入り選手以外のメジャーリーガー(40人-26人=14人)たちの出場が可能になった。
これは、簡単に説明すれば「実績と実力」のある選手たちでプロスペクト(若手有望株)やメジャー経験の実績ある選手の中でも今季の“旬”の選手が五輪代表として来日するということだ。
その実力は、ハッキリ言って今のNPB所属外国人選手よりも上で彼らも40人枠に入ることができれば日本でプレイしていない。サラリーが高く、がっちり保証されているメジャー契約(40人枠契約)できれば、さっさとMLBに戻るだろう。そういう選手はこれまで何人もいた。
ただ、メジャーリーグ機構は「五輪代表」を「WBC」以下のグレードの大会と捉えていて、昨年11月に行われた「プレミア12」では、メジャー30球団の40人枠登録選手を代表チームに招集せず、結果、アメリカは4位に終わって東京五輪の出場権を逃した。
これで焦った(プライドを傷つけられた)メジャーリーグ機構や選手会が40人枠選手の出場に合意したものと思われる。
これでもアクティブ・ロスターの選手たち出場しないので、本当の意味でのアメリカ代表ではなく、正直に言えば、「オールアメリカン」サードチーム以下の編成だが、メジャーファンが見たいプロスペクトやそこそこの有名選手が来日する可能性がでてきたということで「プレミア12」よりは、個々の実力がアップした代表チームが編成できることになった。
まとめてプロスペクトを見ることができるショーケースになって、日本代表戦以外にも興味がそそられる。
MLB公式サイトでは、さっそくメジャー30球団の開幕ロスター(26人)に含まれないプロスペクトたちを紹介。マッケンジー・ゴア(パドレス)、ジョー・アデル(エンゼルス)、ケーシー・マイズ(タイガース)、ネイト・ピアソン(ブルージェイズ)、ジョーイ・バート(ジャイアンツ)、アンドリュー・ボーン(ホワイトソックス)、ディラン・カールソン(カージナルス)、マット・マニング(タイガース)らの名前を挙げているが、球団側は選手の派遣要請に従う義務はないという。
確定している出場国
オリンピック野球競技に出場するのは6カ国。現時点で出場が決まっているのは以下の4カ国。
アメリカは「プレミア12」でメキシコに負けて4位になり出場権を逃したのでアメリカ大陸予選(2020年3月)と、それでもダメなら台湾の台中で行われる世界最終予選(2020年4月)に臨む。
イスラエル(アフリカ・ヨーロッパ予選大会優勝国)
韓国(プレミア12、アジアオセアニア最上位国)
メキシコ(プレミア12、アメリカ大陸最上位国)
日本(主催国)
「アメリカ大陸予選」も「世界最終予選」も五輪切符を手にできるのは1カ国のみ。とくに「アメリカ大陸予選」は、アメリカ、カナダ、ベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ共和国、キューバ、ニカラグア、コロンビアが出場するので、ある意味、五輪より豪華な顔ぶれだ。
▽記事参考/引用
http://www.mlb.jp/category/news/#32877