メジャーリーグも残り2週間だが、ヤンキースの加藤豪将は、このままレギュラーシーズンが終了すると「ルール5ドラフト」の対象選手になる可能性が強くなってきた。
MLB移籍情報
加藤は24歳。10年にロサンゼルスで開催された日米親善高校野球大会のアメリカ代表選手。
サンディエゴの高校卒業後は、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への推薦入学が内定していたが、13年6月6日に行われたメジャーリーグのドラフト会議で、ニューヨーク・ヤンキースから2巡目(全体66番目)で指名され契約金84万5700ドルで契約した。
この2巡目(全体66番目)は、日本国籍を持つ選手としては最高順位で、全体100番目以内で指名されるのは史上初ということで注目された。
今季は、招待選手としてスプリングトレーニングに参加、オープン戦にも初出場しているが、開幕40人枠に入ることはできなかった。それでも開幕は初のAAA級スクラントンで迎えた。
加藤豪将(24)の2019年のシーズンが終了。加藤は2Aと3Aで113試合に出場し、打率.267、11本塁打、46打点、11盗塁、OPS.763。春先は好調で故障者続出もありMLBデビューも囁かれたものの、自身の調子を落とし実現しなかった。 #mlbjp pic.twitter.com/AACQxFwBXj
— New York YankeesJP (@NYYankeesJP) September 15, 2019
その後はAAクラスとの往復だったが、スクラントンでは、セカンドを中心に外野でも出場。83試合で打率.279、11本塁打、39打点、OPS.825の好成績を残している。
とくに5月中旬頃までは好調だったことから、故障者続出のヤンキースからのコールアップが期待されたが、ここまでは40人枠に登録されていない。
加藤は、マイナーのポストシーズンにも出場。マイナーのシーズンはメジャーより早く終わることから、それが終了後に、9月の25人枠から40人枠に拡大される、いわゆる「セプテンバー・コールアップ」で昇格が期待されている。
ただ、このままいけば昇格できずに終わりそうで、そうなれば「ルール5ドラフト」の対象者になる。
ルール5ドラフトとは?
「ルール5ドラフト」とは、有望選手が出場機会を与えられずにマイナーリーグで半ば飼い殺し状態になることを防ぐため、他チーム所属の選手を指名し獲得できる制度。
契約した時点で18歳以下の選手は、5シーズン以内に、契約した時点で19歳以上の選手は4シーズン以内に40人枠に登録されなければ、「ルール5ドラフト」の対象となる。日本のNPBにはない制度だが、日本風に考えると高卒ルーキーと大卒ルーキーの違いと考えればわかりやすいかもしれない。
このため、ルール5ドラフト実施前になると多くのチームがロスターの再編成を行なう傾向がある。指名されたくない選手とメジャー契約を結んで40人枠に登録し、有望選手の流出を防ぐ措置をとることがある。
加藤豪将は、日本時間9月17日の時点でコールアップされておらず、18歳でドラフトされて5シーズンを経過した「ルール5ドラフト」の対象選手になる。
「ルール5ドラフト」は、毎年12月のMLBウインターミーティング最終日に行われることが通例になっている。この冬、加藤のユニフォームが変わるかもしれない。