サンディエゴのハイアットリージェンシーホテルで開催中のウィンターミーティング2日目に、また、大型契約が成立している。
昨日のスティーブン・ストラスバーグ投手に続いて同じ代理人スコット・ボラス氏のクライアントである今季の20勝右腕ゲリット・コール投手がヤンキースと9年総額3億2400万ドル(約352億円)で契約に合意した。
このビッグニュースは、MLBネットワークのジョン・ヘイマンが最初に伝えている。
9年総額3億2400万ドル、年平均3600万ドルは総額の大きさでも年平均のサラリーでも投手史上最高額になった。年平均3500万ドルのストラスバーグを100万ドル上回る額で、この契約には全球団へのトレード拒否権や24年シーズン終了後に契約を破棄できるオプトアウト条項が付帯している。
ちなみに、コールのアストロズでの今季のサラリーは1350万ドルだった。
現在29歳のコールは今季、アメリカンリーグの最優秀防御率と最多奪三振の二冠に輝いた。アストロズで33試合に先発して20勝5敗、防御率2.50、WHIP0.895、326奪三振、奪三振率13.8、与四球率2.0、rWAR6.8という驚異的なスタッツで、パイレーツ時代の15年にマークした19勝8敗、防御率2.60という自己記録を上回り、奪三振数でも18年の276を大きく更新するキャリアハイの数字だった。
また、ポストシーズンでも勝負強さを発揮して5試合に先発して4勝1敗、防御率1.72だった。
12月9日の記事で予想した通りピンストライプのユニフォームに袖を通すことになったコールだが、過去には08年のMLBドラフト1巡目(全体28位)でヤンキースがコールを指名していた。
コールの争奪戦は、コールがカリフォルニア州オレンジカウンティ出身ということで地元のエンゼルスと資金力のあるドジャースの西海岸2球団にヤンキースが絡んだ3球団が移籍先として有力視されていたが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは、17年12月にもジャンカルロ・スタントンのトレードで、西海岸のジャイアンツが移籍先として有力だったものを最後は覆して1対3の大型トレードを成立させており、今回はトレードではなくFA契約だったが、最終的にはヤンキースが獲得している。
昨日契約が決まったストラスバーグよりも2歳若く、16年に3度故障者リストに入っただけのコールは、3年連続で200イニングを超えており、彼の加入はア・リーグ東部地区の戦力バランスに影響するようなインパクトがある。
さらに、20年シーズン終了後にFAになる田中将大の契約にも影響するものと思われる。
下の一覧は19年オフFA市場の50名ちかいFA先発投手の中で、今季実績を残した投手を中心に注目選手をピックアップした。
《FA先発投手》
※は、オプトアウト可能な選手、Pはプレイヤーオプション、Cはクラブオプション、()内の数字は年齢と19年サラリー。
スティーブン・ストラスバーグ(31)2500万ドル※P
ジェイク・アリエッタ(34)2000万ドル※P
コール・ハメルズ(36)2000万ドル
ダラス・カイケル(32)2121万ドル
リック・ポーセロ(31)2112万5000ドル
リュ・ヒョンジン(33)1790万ドル
ゲリット・コール(29)1350万ドル
マディソン・バムガーナー(30)1200万ドル
ターナー・ロアーク(33)1000万ドル
アダム・ウェインライト(38)1000万ドル
アレックス・ウッド(29)965万ドル
ジェイク・オドリッジ(30)950万ドル
イワン・ノバ(33)916万6668ドル
カイル・ギブソン(31)812万5000ドル
マイケル・ピネダ(31)800万ドル
ザック・ウィーラー(29)597万5000ドル
ウェイド・マイリー(33)450万ドル
ジョーダン・ライルズ(29)205万ドル
ブレット・アンダーソン(32)150万ドル
ホーマー・ベイリー(33)55万5000ドル
ホゼ・キンターナ(31)1050万ドル※C
マーティン・ペレス(29)750万ドル※C