MLB球団人事
元レッドソックスのゼネラルマネージャー(GM)で、現在ブルージェイズの上級副社長であるベン・チェリントンが空席になっているパイレーツのGMに就任することを地元紙「ピッツバーグ・ポスト・ガゼット」のジェイソン・マッキー記者が自身のSNSで伝えている。
According to multiple sources, Ben Cherington has accepted the Pirates GM job and is currently in Pittsburgh. Story to come.
— Jason Mackey (@JMackeyPG) November 15, 2019
前半戦の44勝45敗から後半戦に失速し、結局69勝93敗で中部地区最下位に沈んだパイレーツ。結局、4年連続でポストシーズンを逃した責任を取る形でフランク・クーネリー社長、ニール・ハンティントンGM、クリント・ハードル監督の首脳陣が解任された。
ボブ・ナッティング会長は大きな変化の必要性を強調。「グラウンドの内外やクラブハウスでの動きを見たり、我々がドラフトで指名して育ててきた選手が他球団で活躍しているのを目にしたりして、我々のファンは飽き飽きし始めている。私もその1人なんだ。今こそ、チームを違う方向に進めていく必要がある」とコメントしていた。
新体制は、すでにトラビス・ウィリアムスが球団社長に就任。そして、その下にチェリントンが就いて、今後は、新監督探しになるものと思われる。
インディアンスのスカウトからスタートした45歳のチェリントンは、1999年に、当時のレッドソックスのダン・デュケットGMの誘いでレッドソックスに移籍。
傘下マイナーリーグの選手育成担当やスカウトを務め、2002年に選手育成部長、2003年からGM補佐として査定や契約、セイバーメトリクスなどを担当。2005年、選手人事部長に昇格し、2009年から球団上級副社長兼副GM、2011年には、カブスのGM兼球団副社長に就任したセオ・エプスタインの後任としてレッドソックスのGMに就任している。
チェリントンの名を一躍有名にしたのが2012年から13年にかけてのオフ。12年にはボビー・バレンタインを監督に招聘したが監督と選手が対立するなど内部崩壊で最下位に。エイドリアン・ゴンザレス、ジョシュ・ベケット、カール・クロフォードらの主力を夏に放出してボビー・バレンタイン監督を1年で解任。
その12年オフにシェーン・ビクトリーノ、マイク・ナポリ、スティーブン・ドリュー、上原浩二、ジョニー・ゴメス、、ライアン・デンプスターを補強。13年はそうした補強が実を結んで「BOSTON STRONG」の合言葉でワールドシリーズを制した。
不良債権化を防ぐために契約は3年程度の短期契約にして、ファームの育成に力を入れるタイプで、現在、主力で活躍するラファエル・デバース、アンドリュー・ベニンテンディ、エドゥアルド・ロドリゲスらはチェリントンがGM時代に獲得し、頭角を現した選手たちだ。