平野佳寿、フル回転のメジャー1年目
34歳オールドルーキーの1年目が終わった。
今季、オリックスからダイヤモンドバックスへ移籍した平野佳寿は、同じ腕の振りから繰り出されるフォーシームの制球力とスプリットを武器に、日本投手のシーズン最多登板記録となる75試合に登板した。
これは、メジャーリーグで約800人が登板したリリーバーの中で7位タイの記録だった。
スタッツは、、66回1/3、4勝3敗、32ホールド、3セーブ、防御率2.44、WHIP1.085、59奪三振(奪三振率8.01)、23四球(与四球率3.12)、FIP3.69。
チームの貴重なセットアッパーとして奮闘した。それを物語るのが、平野が投げる場面だ。
平野は、チームがリードした場面で52試合(セーブ機会でも7試合)、同点の場面で16試合と計75試合中68試合でシビレる場面に登場してメジャーの打者を仕留めていった。
ボールが飛びやすいと言われるこのディビジョンでHR/9も0.81、被打率.207はデータ好きの方なら、どれだけ凄いかお分かりだろう。
平野は「ポストシーズンを戦いたかった。最後に失速したのは残念だった」とチームの終盤の失速を残念がったが、個人的には首脳陣を納得させるものだった。
これまでこのチームに所属した日本人選手は斉藤隆とマイナーに中後悠平、そして平野だけだが、日本人投手の質の高さを納得させたに違いない。
しかし考えてみると、驚くことではないだろう。
オリックスのクローザーとしてWBCの日本代表選手にも選出されている。2011年はパ・リーグ新(当時)の43ホールド、49ホールドポイント、2014年はリーグ新(当時)の40セーブを記録した。
これを称えてリーグ特別表彰を2回 受賞している(2011年、2014年)。その実力をメジャーリーグでも証明しただけかもしれない。
リリーバーの試合での依存度が増し、その地位が上がる中で、平野の成功はメジャーを目指す日本人選手たちの励みになったにちがいない。いつの日か、メジャー各球団のブルペンには必ず日本の投手たちが名を連ね、躍動する、そんな時代が来ることに期待したい。