MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

実力社会の厳しい春。2人のベテラン投手がNPB復帰の可能性

平野佳寿オリックスに復帰、山口も日本球界復帰の可能性?

 

 

既に日本の複数のメディアでも報道されたが現地2月5日(日本時間6日)、マリナーズからフリーエージェント(FA)となっていた平野佳寿が古巣のNPBオリックス・バファローズへ復帰することが伝えられ10日には、キャンプ地の宮崎市内のホテルで入団会見を行った。

 

 

メジャーで実績を残し4年ぶりにNPB復帰の平野

 

36歳の平野は、2017年オフに海外フリーエージェント権を行使してダイヤモンドバックスと2年契約。メジャー1年目の2018年にはダイヤモンドバックスで75試合に登板。ここでも何度か紹介したが、4勝3敗3セーブ、32ホールド、防御率2.44の好成績で大車輪の活躍だった。

 

気持ちの良い速いテンポの投球リズムから正確な制球と右打者のフロントドアに沈むスプリットが効果的だった。日本人リリーバーの記録で、レッドソックス時代の上原浩治には1試合届かなかったが26試合連続無失点という球団記録を更新した。

 

2年目も62試合に登板して5勝5敗1セーブ、15ホールド、防御率4.75をマーク。平均で10メートル近くボールが飛ぶ打者有利の本拠地で、そのパークファクターを感じさせない存在感があった。

 

MLB公式サイトの調べでは、2年連続で60試合以上に登板したリリーバーはリーグで14人だけらしく、2年間の合計47ホールドはリーグ3位。シーズン終了後にFAとなり、マリナーズと1年契約を結んだ。

 

3年目は開幕前に新型コロナウイルスに感染した影響で復帰が遅れ13試合の登板で1ホールド4セーブ、最後の2試合で打ち込まれて最終防御率は5.84にまで下げたのが悔やまれる。

 

それでもメジャー3年間での通算成績は、150試合に登板して9勝9敗、8セーブ、48ホールド、防御率3.69NPB時代の11年間に積み重ねた156セーブの実力をメジャーの舞台でも発揮した。

 

MLBが60試合の短縮シーズンによる大幅な減収・減益がなければ早い時期にMLBの移籍球団が決まったかもしれない。残念な部分もあるが、東京オリンピックヤンキースから東北楽天に戻った田中将大と共に日本チームの大黒柱として勝利の方程式を確立させてほしい。

 

 

山口俊がブルージェイズからDFA

 

ブルージェイズでメジャー1年目を終えた山口俊が40人枠から外れたことをMLB公式サイトなどが報じている。これはDFA(Designated For Assignment)と呼ばれている措置で、日本では大抵の場合「戦力外」とか「戦力外的な扱い」と訳しているのが一般的だが、この場合、DFAの選手はトレードされるか、7日以内にウエーバーにかけられることになり、ウエーバー公示後に獲得を希望する球団が現れた場合は、移籍先の球団で40人枠に登録される。獲得を希望する球団がなかった場合、マイナー降格か解雇となる。

 

 

デプスを見ると山口には厳しい状況かも...

 

トロントのデプスを見ると先発兼ロングリリーフの役割を担う選手が多く(ロス・ストリップリング投手タイラー・チャットウッド投手、ジョエル・パヤンプス投手)、ストリップリングとチャットウッドは山口以上の実績を残しており、先発ローテーションもロビー・レイと再契約し、メッツとのトレードでティーブン・マッツを獲得しているので先発枠でもブルペン枠でも山口がはじき出されたカタチだ。

 

残念だが、実績を残した日本球界への復帰の方が残りの野球人生のためにも良いかもしれない。DFAになった後、マイナーよりも解雇を選んで、さっさと次の球団を探す場合も多い。シーズン開幕は待ってくれないからだ。今後の動向を見守りたい。