メジャーは、両リーグのチャンピオンシップが終わった。GAME7までもつれ込んだアメリカンリーグ(AL)は、ヒューストン・アストロズが4対0で制して4勝3敗で、2005年以来となる12年ぶり2度目のリーグ優勝を決めた。
MLB2022 ALCS
アストロズは、13年にナ・リーグ中部地区からア・リーグ西部地区に編成が移ってからはリーグ初制覇で、24日(日本時間25日)から始まるワールドシリーズでナ・リーグの覇者ロサンゼルス・ドジャースと世界一を争う。
終わってみれば、レギュラーシーズンで101勝(61敗)を挙げたアストロズが、ワイルドカードから勝ち上がったAL東部地区2位(91勝71敗)のヤンキースを最終戦で突き放した。
MVPはジャスティン・バーランダー投手。彼はこのポストシーズンで4試合に登板、3試合に先発し4勝0敗。
防御率1.46、WHIP0.93、24回2/3イニングスで24奪三振と、助っ人としての存在感を示し、南部のテキサス州のファンからすればレッドソックスとヤンキースという東部の名門チームを黙らせたピッチングは、胸のすく思いだったに違いない。
ヤンキースが敗れ去ったことで、田中将大対ドジャースのダルビッシュ有、前田健太のワールドシリーズでの日本人投手対決は無くなった。
変な詮索かも知れないが、アストロズはホーム6勝で、昨年オフから着手したミニッツメイド・パーク名物の「タルの丘」を撤去した改装費用がペイできたかも知れない。昨年までは、センター深部(約132メートル)に勾配と電柱のようなポールがあった。
「HOUSTON STRONG」
以前にも紹介したが、スポーツが勇気を与えることもある。
1995年1月17日、阪神淡路大震災で神戸が被災した年も仰木監督(故人)やイチローが活躍して「がんばろう神戸」を合言葉に地元チームのオリックス・ブルーウェーブが優勝した。11年ぶりだった。(私も大阪で被災したから、あの揺れは今でもトラウマになっている。)
この8月に大型ハリケーン「ハービー」が直撃して、上から2番目に強い「カテゴリー4」の勢力がヒューストンを襲った。最大風速58メートル、24時間で610ミリの雨が降った。
これによりヒューストンは多大な被害を受けた。
そのヒューストン市民を励ます為に「HOUSTON STRONG」を合言葉にアストロズがチャンピオンシップまで駆け上がる姿は、2013年のボストンマラソンの悲惨なテロから立ち上がってボストン市民を勇気づけたレッドソックスや、あの時のオリックスを思い出す。