MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

WBCは新ルール導入で大物メジャーリーガーの参戦が容易になる!?

 

 サンフランシスコ・ジャイアンツのエース左腕マディソン・バムガーナーが、3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシックWBC)の第1ラウンド終了後から米国代表に合流する可能性がでてきた。

 

WBC米国代表のジョー・トーリGMは、バムガーナー投手のエージェントに接触し、同投手の「指名投手枠」入りで交渉を続けている。

 

 この「指名投手枠」というのは、MLB公式サイトが現地4日に公表したもので、WBCに関する新しいルールといえる。

 

それによれば28人の出場登録枠とは別に「designated pitcher pool(指名投手枠)」が設けられ、各チームが、それぞれ10投手を登録できる特別枠が正式決定したというのだ。

 

 指名打者ならぬ指名投手というのは聞いたことがないが、要するに一線級に門戸を広げてワンポイントでも参加しやすくしたルールといえる。

 

そうすることで総力戦に持ち込むことができ、投手力の層の厚い国には有利といえるルールになった。バムガーナーやクレイトン・カーショーら大物メジャーリーガーがワンポイントでも顔を揃えれば大会の注目度や価値が上がり、サッカーのような真の世界一決定戦にふさわしい大会に近づけられる。

 

 また、指名投手枠に入るだけなら所属チームでのキャンプで調整することができ、登板は1試合に限られてくるので長期離脱する必要もなく、所属する球団も選手が大会に参加することでのリスクは軽減される。

 

 まだまだ、世界選手権としての認知は低いWBCが、一線級の参加による話題と質の向上を促そうという主催者の意図が分かる新ルールといえる。

 

 すでに米国代表は、マックス・シャーザー投手(ナショナルズ)、マーカス・ストローマン投手(ブルージェイズ)、クリス・アーチャー投手(レイズ)、ダニー・ダフィー投手(ロイヤルズ)の4投手が28人枠に入ることが決定しており、ラウンドを勝ち上がればさらに強力な投手陣を編成できることになる。

 

侍ジャパンにもメリットがある

 

 米国在住のスポーツライター、菊池慶剛さんの記事では、この新ルールは、投手層の厚い日本のチーム編成にもメリットがあるという。

 

 たとえば最初の28人枠に選ぶ投手陣はあくまで1次ラウンドで対戦する3チーム(キューバ、オーストラリア、中国)を睨んだ編成にし、その後は2次ラウンド、決勝ラウンドで対戦しそうな強豪国相手に場合によっては日本人メジャーリーガーを起用することも考えられるという。

 

 指名投手枠に入るだけなら日本人メジャー投手は所属チームでのキャンプで調整することができ、登板は1試合に限られてくるので長期離脱する必要もなくなる。

 

 これまでの予選全期間のチームへの帯同と違って、1試合ぐらいなら所属するチームからも承諾を得やすい環境になったといえるだろう。

 

 

◇記事参考

 

bylines.news.yahoo.co.jp