現地14日、ナ・リーグ中部地区で首位を独走しているシカゴ・カブスは、敵地で同2位のセントルイス・カージナルスと対戦。7対0で完勝し、2008年以来、8年ぶりとなる地区優勝へのマジックナンバーを1に減らした。
カブスは先発の左腕ジョン・レスターが8回を3安打、1四球、8三振、無失点の好投で今季17勝目(4敗)を手にした。一方、アンソニー・リゾ一塁手は2ホーマーで3打点をマークして打線をけん引した。
#Cubs blank #STLCards behind brilliant @JLester34, three homers.
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— Chicago Cubs (@Cubs) 2016年9月14日
93勝52敗、勝率.643。現時点でMLB最高勝率のカブス。明日からはリグレーフィールドでの10連戦がある。名将マドン監督のもと108年ぶりのワールドシリーズ(WS)制覇に向けて視界は良好だ。
■がんを克服したふたりの“いのちの絆”
このチームをけん引してきたエースのレスターと主砲のリゾ。ふたりには共通の話題がある。
ふたりとも「がん」を克服してグラウンドに戻ってきた選手だ。「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」から復帰した経験を持つジョン・レスター。リゾは「ホジキンリンパ腫」から生還した。
現地で取材活動を続けているジャーナリストのナガオ勝司さんのコラムによればレスターは06年に発症。07年には復帰してレッドソックスのWS制覇に貢献した。
あの年のWSは3人の日本人(コロラド・ロッキーズからは松井稼頭央が、ボストン・レッドソックスからは岡島秀樹・松坂大輔が出場)することもあり、日本でも注目された。そのシリーズの優勝を決めた第4戦に登板している。
リゾは、2008年に体の不調を訴え、精密検査でリンパ腫が見つかった。
レスターは、病を告知されたばかりのリゾの不安を取り除くため、当時18歳だったリゾに直接会ったという。リゾは当時を思い出し、地元のテレビ局の取材にこう答えている。
「ジョン(・レスター)は僕にこれから何が起こるのかを詳しく話してくれた。抗がん剤の副作用や、治療後はどんな気持ちになり易いかといったことを包み隠さず教えてくれたんだ。そして最後に『心配せず治療に専念すればいい。そして元気になったら、ためらうことなく普通の生活に戻ればいいし、僕のように野球だって出来るようになる』と言ってくれたんだ」
レスターはNVQT(Never Quit=「決してあきらめない」の意の短縮)、リゾはAnthony Rizzo Family Foundationという慈善事業を立ち上げてがんの治療開発や患者へのサポートを行っている。
彼らはそれぞれの個人的な活動と並行して、全米規模のがん撲滅運動『SU2C(Stand Up To Cancer)』にも積極的に参加している。
今年もメジャーリーグがSU2Cとキャンペーン活動した。レスターとリゾも当然、そのスポークスマンとなって活動した。
◇記事参考
http://www.jsports.co.jp/press/article/N2016091212444201.html