MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

ロイヤルズ、ブルージェイズとのALCS初戦に“因縁”の投手を起用

 

ALCS2015

 

 

ア・リーグ最高勝率で中地区覇者のカンザスシティ・ロイヤルズは16日(日本時間17日)、東地区を制したトロント・ブルージェイズをホームのカウフマン・スタジアムに迎え、7回戦制のア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)初戦を行う。

 

ロイヤルズは地区シリーズ(DS)で崖っぷちからしぶとい逆転劇を演じて勝ち上がった。アストロズに1勝2敗と王手をかけられてからの2連勝で、2年連続のALCSへの進出を果たした。

 

後がないGAME4は敵地ヒューストンだった。7回を終えて2-6の4点ビハインド。勝利を確信したホームのアストロズファンの大熱狂の中、ロイヤルズのキャッチアップオフェンスが始まる。

 

8回は、メジャートップの出塁率とリーグトップのOPS出塁率長打率を足した数値)が示すように打線がつながり5連打と失策で、5点を返して7-6と一挙に逆転。

 

9回にも4番エリック・ホズマーのダメ押し2ランで、9-6の逆転勝利。2勝2敗のシリーズタイに持ち込んで最終戦に望みをつなぐ。

 

本拠地カンザスシティに戻った最終戦では、これまでポストシーズンで勝利のなかった先発ジョニー・クエトが、シーズン終盤の不調を帳消しにする6イニング三者凡退。19人連続で打者を退ける圧巻のマウンド。

 

このクエトの好投に応えるように、ロイヤルズ打線も援護。対するアストロズは、2-4で迎えた8回にこれ以上の失点を防いで、最終回の攻撃に備えようとエースのダラス・カイケルを投入。

 

ポストシーズン2勝0敗、リーグ唯一のシーズン20勝左腕の投入が裏目にでた。先発投手が慣れないリリーフ。しかも中3日。肩が温まる前にモラレスに3ランを浴び、2—7と引き離され、アストロズの夢は潰えた。

 

勝ち進んだブルージェイズとロイヤルズは、30年前の1985年にもリーグ優勝決定シリーズで戦っている。この時は第7戦までもつれ込んだ末、ロイヤルズが勝利し、同年のワールドチャンピオンに輝いた。

 

しかし、ロイヤルズはその時以降、長らく低迷。万年Bクラスに。長い冬の時期を乗り越えて昨季ワイルドカードから29年ぶりにワールドチャンピオンに進出したが、あと1勝届かなかった。今季こそ30年ぶりの頂点をつかみ取りたい。

 

一方、30球団で最も長くポストシーズンから遠のいていたブルージェイズは、22年ぶりの大舞台となる。

 

大事なシリーズ初戦の先発にロイヤルズは、エディンソン・ボルケス投手(13勝9敗.355)を指名。ボルケスは8月2日に行われたブルージェイズ戦で、相手打者に対し厳しい内角攻めを見せており、それをきっかけとした乱闘寸前の騒ぎを引き起こしている。

 

ボルケスは、8月の騒動は「終わったことだ」としながらも、今回もインサイドを狙うつもりかという質問に対し、「もちろん」と断言。ロイヤルズのネド・ヨースト監督も「当然、内角球は積極的に使っていく。相手はパワーが自慢のチーム。念入りに作戦を練って、それを実行するつもりだ」と意気込みを語った。

 

一方のブルージェイズは、今季13勝(8敗)を挙げた右腕マルコ・エストラダ投手が先発予定となっている。