MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

マーリンズがイチローに熱愛した理由、その戦略とは?

 

イチローNews

 

 

いよいよ現地24日からイチロー所属のマイアミ・マーリンズ野手組が、日本でいう「キャンプ」のようなスプリングトレーニングに入ります。

 

やや違うところは実戦が中心で、24日には早くも紅白戦や1週間ほどして地元の大学生とのエキシビジョン・ゲーム、3月5日には同じナ・リーグカージナルスとの対戦が予定されています。

 

1月29日の異例とも言える日本での入団会見から約1ヶ月。マーリンズのユニフォームに袖を通したイチローを早く見たいものです。

 

 

イチローアップ 

 

 

マーリンズイチローに熱愛したわけとは? イチローの去就に関しては引退後、MLBの殿堂入り確実な選手だけに、いろんなメディアで報じられてきましたが、マーリンズイチローを獲得した狙いを考えてみたいと思います。

 

日本人選手がいなかったこともあり、なじみの薄かったマーリンズ。全天候開閉式の新球場が、わずか3年前にオープンしたにもかかわらず、去年の1試合平均観客数は約2万1000人でメジャーワースト4位。イチロー獲得はチームのマーケティング戦略の一つとも言えます。

 

しかし、多少の効果があるとはいえ、それ以上にチームが期待しているのは「機動力」アップということではないでしょうか。このオフには昨季のナ・リーグ盗塁王ゴードン二塁手ドジャースからトレードで獲得するなど、機動力野球をチームカラーにしようとする狙いがあります。

 

昨年のイチローは385打席で15盗塁をマーク。内野安打の数はジーターに次ぐチーム2位と、依然、その脚力は健在です。今シーズンは、メジャー通算500盗塁という大台も視野に捉え、現在487盗塁をマークしているので、あと13盗塁。

 

昨年ワールドシリーズまで躍進したカンザスシティ・ロイヤルズの例を見てもわかるように、勝負のかかった試合の終盤に流れを変えるイチロー「足」を必要とするシーンが出て来ることは、若いチームを考えた場合、誰でも想像がつくと思います。

 

 

❑ 同地区の覇者ナショナルズイチローの相性?

 

さらに、専門サイトなどでは、同地区ライバルのナショナルズに6勝13敗と大きく負け越していることから、ナショナルズ対策も、イチロー獲得の理由とする考察もあります。

 

ナショナルズのバッテリーは昨季、盗塁阻止率が37.5%とメジャー最高を誇りました。メジャートップの防御率を記録したナショナルズ投手陣を崩すには、足を絡めて揺さぶろうと考えるのは至極当然でしょう。

 

初めてのナ・リーグでプレイするイチローですが、ナッツ投手陣との相性を考えた場合、ア・リーグ時代に数多く対戦した投手が多いのも見逃せないデータです。

 

ナッツの先発の一角、左腕ジオ・ゴンザレスは2008年から11年までアスレチックスでプレイし、マリナーズ時代のイチローと対戦する機会も多かった。

 

最近3年間は顔を合わせていませんが、通算33打数11安打(打率.333)とよく打っています。ちなみにイチローがメジャー通算2000安打を放った相手もゴンザレスでした。

 

他に、投手史上2番目の高額契約でナショナルズに加入したシャーザーには過去3年で6打数3安打。リリーフ左腕ソーントンにも過去3年で6打数3安打と、意外と対戦経験があり、少ない打数ながら結果を残している。

 

さらに昨年、ナショナルズで64試合に登板したブレビンスには通算17打数7安打(打率.412)と、イチローが結果を残している投手がナッツには多いというデータも重視したと思われます。数字を大切にするアメリカンスポーツの世界ですから。

 

マーリンズが、あのロイヤルズが見せた機動力野球を実戦する場合にイチロー「経験」「足」が必要不可欠と球団フロントは考えたのかもしれません。