2023年シーズンの最優秀選手(MVP)は、ア・リーグは大谷翔平(エンゼルス)、ナ・リーグはロナルド・アクーニャjr.(ブレーブス)が選出されたが、個人的には「カムバック賞」に注目している。復活を遂げた、いわゆる「苦労人」たちに贈られる賞だからだ。
MLB2023 AWARD
2005年から始まったこの賞の表彰は、各球団から1名ずつ、合計30名の候補者が選出され、MLB公式サイトで各球団の番記者を務める30名の記者によって受賞者が決定されるが、その選出方法には違和感がある。というのも同じチームに2人以上の候補がいる場合もあるからだ。
しかし、そんなことよりも受賞者を称えることにする。今季のカムバック賞の受賞者は、ナ・リーグはコディ・ベリンジャー(カブス)。ア・リーグは、リアム・ヘンドリックス(ホワイトソックス)が選出された。
Liam Hendriks and Cody Bellinger are the AL & NL Comeback Players of the Year! 👏 pic.twitter.com/q1a5FRXEN9
— MLB Network (@MLBNetwork) November 28, 2023
ヘンドリックスは、ステージ4のガン(非ホジキンリンパ腫)を克服してマウンドに戻ってきた34歳のリリーバー。
ベリンジャーは打撃不振からドジャースをノンテンダーFAになったかつてのワールドシリーズMVP男。
2人とも多くを説明しなくともメジャーリーグファンにはお馴染みの選手だが、ヘンドリックスは復帰後、右ひじを痛めたため、今季は5試合しか登板できず、2勝0敗1セーブ、防御率5.40に終わり、8月にはトミー・ジョン手術。
あまりカッコよくない終わり方だったが、困難を克服して戻ってきた彼に拍手を送りたい。
ホワイトソックスの選手がこの賞を受賞するのは2006年のジム・トーミーに続いて2人目らしい。
ベリンジャーは、カブスに拾われて打率.307、26本塁打、97打点、20盗塁、OPS.881と見事にバウンスバックした。
カブスの選手がこの賞を受賞するのは初めてらしいが、市場価値を取り戻して今オフのFA市場でも上位にランキングされている。
強打の左打者を探しているヤンキースが注目しているという噂がある。