MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

選手会はFMCSの介入を拒否、直接交渉を希望

長期化する機構側(MLB)と選手会(MLBPA)の労使交渉だが、バッテリー間のスプリングトレーニングが始まるまで約2週間に迫ってきた。その前の契約交渉や外国人選手のビザ申請などの諸手続きを考えると“待ったなし”の状況になってきた。

 

MLBMLBPACBA情報

 

昨日もお伝えしたが、スプリングトレーニングまでのタイムリミットが迫る状況下で3日(日本時間4日)、オーナー側が労使交渉を進展させるために連邦調停局(Federal Mediation and Conciliation Service=FMCS)に仲介を要請した。

 

 

選手会は連邦調停局の仲介を拒否、直接交渉を要求

 

ところがメジャーリーグ選手会は、FMCSの調停を拒否することを明言した。これは予想されたことだ。

 

MLB公式サイトが伝えているが、関係者によると、MLBはシーズン開幕延期を回避するために最適な方法がFMCSによる調停であると考えており、中立的な第三者が介入して労使交渉を締結することを期待していたという。

 

これに対し、選手会はそれでは不利と判断したのかもしれない。「合意への道は交渉のテーブルに戻ること」と機構側の調停要請を一蹴したという。

 

両者の見解は平行線のままで、このままではカオスな状況で、スプリングトレーニングの開始はおろか、MLB側が恐れる開幕の遅れからくるレギュラーシーズンの短縮(収入源)になる可能性も考えられる。

 

MLBPAのコメント

 

ロックアウトが始まってから2カ月が経ちました。オーナー側は対案を提示すると選手たちに約束してからわずか2日後、対案を提示することを拒否し、代わりに調停を要請しました。選手会役員と協議し、様々な要素を考慮した結果、我々はこの要請を拒否することを決めました。公正かつタイムリーな合意への最も明確な道は交渉のテーブルに戻ることです。選手たちは交渉する準備ができています」。

 

MLBのコメント

 

「我々の目標はスプリング・トレーニングとシーズン開幕日に選手がフィールド、ファンが球場にいることです。キャンプ開始まで2週間を切り、双方の主張の相違点を解決して行き詰まりを打破するために、連邦調停局の支援をただちに受けるべき時期になりました。溝を埋めて合意を促進するために公平な第三者が関与することが最も生産的な道であることは明らかです」。

 

 

MLBPA

 

 

MLB側の広報担当はさらに「合意を望んでいる当事者が調停を拒否する理由は理解しがたいです。連邦調停局はプロスポーツ界における多くの成功例を含め、こうした紛争の解決を任務としています。メジャーリーグ機構はテーブルで解決策を提案し、双方にとって公正な合意に達することができるよう、引き続き尽力していきます」とコメント。

 

MLB側の言い分がもっとものように聞こえるが、最初の交渉は僅か数分に終わり、それを含めて2か月間で4回しか開催されておらず、MLB側がもっと積極的に交渉の場を用意すればここまで選手会がゴネなかった気もする。

 

タンキングの問題やサービスタイムを故意に遅らせるなど、セコイことをしてきたのはMLB側で、レギュラーシーズンの短縮による収入減を避けたいのなら、主役である選手たちの話をよく聞いて誠実に交渉を進めるのが本来の姿だろう。

 

人気が低迷していることを一部のオーナーたちは分かってないのだろうか。MLBPAの意向をくんで新CBAが早期に批准されることに期待したい。