これによりQO制度は今オフも継続
メジャーリーグ機構(MLB)とメジャーリーグ選手会(MLBPA)の労使交渉(CBA)で合意に至らなかった懸案事項「国際ドラフト」制度の導入が、今回も合意しなかったようだ。
現地時間2022年7月25日(日本時間26日)が交渉期限に設定されていたが、MLBPAがMLB側からの最終提案を拒否して交渉は決裂した。
MLBPAはその声明文のなかで「我々が公平な取引であると考えるには程遠いものだった」とMLB側の対応を批判した。
国際ドラフトを導入する場合は、それと引き換えに、FAに対するクォリファイング・オファー(QO)の制度を廃止することになっていたが、MLBPAがMLB側の提案を一蹴したことにより2023年オフもQO制度は継続されることになる。
MLB公式サイトによるとドラフトの対象とならない海外のアマチュア選手の獲得制度「国際ドラフト」は、長年にわたって労使交渉の重要なテーマの1つとなっていた。
機構側の最終オファーは、国際ドラフトを20巡目まで実施して指名された選手と契約するためのボーナスプールとして1億9100万ドルという枠を設定するというものだった。
MLBは「この金額でも現行の制度から2000万ドル以上の増額になる」と主張したが、MLBPAの希望する2億6000万ドルとは、大きな差があったようだ。
国際ドラフトから漏れた選手の契約金についても、機構側は2万ドル、選手会は4万ドルを希望するなど、隔たりがあった。
ここでも球団経営のために支出を減らしたい経営者側と選手のために少しでも大きな金額を用意してあげたいとする選手会側との開きを感じる。
MLBPAの主張は「海外のトップクラスのアマチュア選手に与えられる契約金は国内の選手と比べると不十分であり、ドラフトによって最初に契約するチームを選べなくなるリスクにも見合っていない」というものだ。
単一民族の日本では考えにくい多民族国家には様々な問題があるものだ。メジャーリーグには数十カ国の選手が共生している以上、避けては通れない問題だと思う。
MLB側は今後も様々な条件をオファーしながら「国際ドラフト」の導入を目指していくことになりそうだ。
▽記事参考/引用
http://www.mlb.jp/category/news/#50385
https://news.yahoo.co.jp/byline/unenatsuki/20220726-00307326