ロックアウトが続いているメジャーリーグだが、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指している広島東洋カープの鈴木誠也がどの球団に決めるのか?
そちらの方が気になるので鈴木がフィットするチームを探っていきたい。第1回目はレッドソックスを紹介した。
鈴木誠也がフィットするチームは?
鈴木にプレゼンテーションした球団名も明かされていないが、報道では10球団以上はあるらしい。ここでは逆にどの球団がフィットするのかを考えたい。
これまで流れていた複数の予測によると提示金額は5年6000万ドルから7000万ドル(年平均で1200万ドルから1400万ドル)で、例えば、この契約に6年目は球団オプションの3000万ドルを付けて総額6年1億ドル規模に膨らます球団もあるかもしれない。
鈴木のポテンシャルならどのチームでも外野の一角を獲れると思うが、今回はヤンキースとレンジャーズを紹介したい。
ヤンキース
ヤンキースの正右翼手はアーロン・ジャッジ、正左翼手はジョーイ・ギャロで、指名打者にはスタントン。
ウイッシュリストは中堅手だ。アーロン・ヒックスが一応、正中堅手だが、故障が多く、今季も32試合(打率.194、本塁打4、OPS.627)にとどまった。
これまでキャリア9年間で2018年の137試合(27本塁打)が最多。強肩好守の選手だが、100試合以上出場したのは2016年と2018年だけ。
2019年2月に7年総額7000万ドル(2026年は球団オプション)で契約を延長しているが早くも不良債権化している。
故障歴を見てみるとハムストリングや腕、脇腹、手首など2015年から9回も故障者リスト入りしている。
ニューヨークはメディアなどの雑音が多い。鈴木も慣れないメジャーでいきなり中堅手はやめておいたほうが良いだろう。
余計なお世話かも知れないが、物価も高く治安面を考えても家族が安心して暮らせる街とは言い難い。
レンジャーズ
レンジャーズは不名誉な100敗シーズンだっただけにロックアウト期限前に大胆に動いた。
ただ、それはコーリー・シーガーやマーカス・セミエンといった内野手たちと先発投手のジョン・グレイなので、まだまだウイッシュリストにはブルペン投手や先発ローテーションの強化などが残っているはずだ。
外野陣にも左打者のコール・カルフーンを追加したが、アドリス・ガルシア中堅手(本塁打31、OPS.741)を軸に両翼は完全には固定されていない。
外野手はコール・カルフーン(本塁打5、OPS.670)が右翼、ニック・ソラック(本塁打11、OPS.677)が左翼だが、明らかに迫力不足。
MLB30球団中、打率で29位、本塁打数26位、得点28位、OPS30位の貧打線を改善したいところだが、ジョーイ・ギャロが抜けた外野陣の穴は大きく、内部育成を含めて数年計画で補強していくことが必要だ。
攻撃力アップには、外野陣にメジャー4年目(サービスタイム2.028)の若手ソラックとコール・カルフーンでは補強したとはいえず、ここに鈴木誠也を追加したいところだろう。
これで、ウィリー・カルフーンを指名打者に固定。ソラックとコール・カルフーンの調子の良い方をスタメンと第4の外野手にしてベンチの置けば層は厚くなる。
鈴木にしてもカルフーンやソラックと競う方が刺激になる。
新スタジアムの完成や設備面は充実
レンジャーズは昨年、新スタジアム「グローブライフ・フィールド」を開場させた。旧本拠地は真夏の暑さが選手と観客を消耗させていたことから、新本拠地は暑さ対策のための開閉式の屋根付き。
もちろん冷房などの空調が完備され、選手や観客に快適な空間を提供している。
当初の予定だった天然芝から人工芝に変更されたが、レンジャーズは選手の安全、チームのパフォーマンス、ファン体験などの観点から、2年間にわたる調査を実施した結果、人工芝の敷設を決定。これにはオーバーン大学も開発に協力。選手の安全やパフォーマンスの最適化の実現に向けた最高水準の人工芝フィールドらしい。
The best ballpark in baseball. Period. pic.twitter.com/WCApCKWI6f
— Texas Rangers (@Rangers) May 29, 2020
One acre of clubhouse space, ready for the @rangers. pic.twitter.com/BDoYSg9G7f
— Globe Life Field (@GlobeLifeField) May 27, 2020
移動のロスも少ないテキサス州アーリントン
レンジャーズが所属する西部地区は同じテキサス州にフランチャイズを置くアストロズや西海岸のマリナーズ、エンゼルス、パドレスと同地区。
LAもサンディエゴもシアトルも温かく安定した気候で、プレーしやすい地区と言える。アメリカ北部の五大湖畔のシカゴやデトロイト、ミネアポリスのように積雪で中止になることもない。
時差は慣れていくしかないが、多少暑いぐらいの方がコンディション管理にはいいかもしれない。
学生時代にアメリカンフットボールボールをやっていたのでNFLの試合はよく見るが、雪の中での試合は見ていても過酷だ。
メジャーの場合、過密日程で移動も体力的な負担になるが、アーリントン市は、全米を代表するハブ空港のダラス・フォートワース国際空港へは20キロと近く移動による時間ロスやストレスも少ない。
余談になるが、ニューヨークやLAのように大都市でもなく、テキサス州自体が共和党の州なので治安は安定し、家族も安心して生活できるだろう。
2005年にジョン・ダニエルズGMが就任してからは、日本人選手が増えた。ダニエルGMは「日本である程度の実績を残した選手なら、即戦力として期待出来る」として日本球界や選手たちを高く評価し、スカウティングにも力を入れている。
2006年1月には大塚晶則をトレードで獲得し、その年の大塚は、32セーブをマークして期待に応えた。
それ以降は上原浩治、ダルビッシュ有、建山義紀、藤川球児、、福盛和男、伊良部秀輝など多くの日本人選手が所属し、現在も有原航平がマイナーに所属している。
松坂大輔の時も黒田博樹も大谷翔平の時も獲得に動いた。鈴木がレンジャーズに決めれば野手では初の40人枠選手になる。