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【MLB移籍情報】今オフのFA注目選手は?《外野手RF/LF編》

2021―2022年オフのフリーエージェント(FA)市場で気になる選手をポジション別に紹介している。今回は外野の両翼をメインにしている選手にスポットを当てた。

 

 

MLB移籍情報 FA外野手 右翼/左翼

 

外野手の両翼は例年、質はともかくとして量的には多いポジションだが、今季は人材(大物)が少ない気がする。

 

MLB公式サイトでメジャー挑戦が報じられた鈴木誠也外野手にとっては需要と供給のバランスから考えて大物FA外野手は少ないほうが良いだろう。

 

 

FA外野手 筒香嘉智鈴木誠也の契約に注目

 

下記の一覧はfWARの高い順に並べてみたが、筒香嘉智はfWAR+0.2で、この中では下位のランクになる。

 

しかし、データサイト「ファングラフス」で、この部門を見ていただくとよく比較できるが、マイナス査定の外野手も多いので、このポジションの中では、それほど低い数値でもないことがわかった。

 

筒香はパイレーツ移籍後の8月~9月で本来の姿を取り戻し、メジャーに対応できることを示した。どの球団でも良いのでメジャー契約して来季も見てみたい外野手だ。パイレーツとの再契約が決まれば一塁手としての起用もあるかもしれない。

 

一覧は、外野の両翼である、右翼手(RF)と左翼手(LF)がメインの選手達だ。中堅手内野手がメインで外野もたまに守るユーティリティー選手は含まなかった。

 

したがってアスレチックスからFAのスターリング・マーテイドジャースからFAのクリス・テイラーなどは含まなれていない。

 

FA市場一覧《外野手RF/LF編》

 

 選手名 (2021年所属球団)  

 

 

ニック・カステヤノス(レッズ)※ QO

カイル・シュワーバー(レッドソックス

アビサイル・ガルシア(ブルワーズ)

マーク・キャナ(アスレチックス)

トミー・ファム(パドレス

ブレッド・ガードナー(ヤンキース

アンドリュー・マカッチェン(フィリーズ

エディ・ロサリオ(ブレーブス

マイケル・コンフォルト(メッツ) ※ QO

筒香嘉智(パイレーツ)

ホルヘ・ソレアー(ブレーブス

アダム・イートンエンゼルス

ファン・ラガレス(エンゼルス

鈴木誠也 ※NPBからポスティング

 

QO=クオリファイング・オファー

 

 

 

鈴木誠也の移籍先は?

 

何と言っても鈴木誠也の移籍先が気になる。 米メディア「CBSスポーツ」が、今オフに獲得できるFAランキングトップ50を発表したが、それによると鈴木誠也は15位だった。

 

ESPNが発表したFAトップ50では17位にランクイン。具体的に契約内容まで予想しており、鈴木は4年総額4800万ドル(約52億8000万円)の予想だった。

 

移籍専門サイトの「MLBトレード・ルーマーズ」(MLBTR)では鈴木を20位とし「正右翼手として出場できるポテンシャルがあり、メジャーの中軸を打てる十分なパワーがある」と評価。

 

このサイトの契約予想は、5年総額5500万ドル(約60億5000万ドル)で、獲得球団の候補にフィリーズレンジャーズを挙げている。

 

鈴木は今季、首位打者と最高出塁率の打撃2冠を達成し、本塁打王争いではトップに1本差の自己最多38本塁打をマーク。

 

直近3年の累計では四球数が三振数を上回っている。「2018年以降の三振率16・4%は彼のようなパワーヒッターでは素晴らしい数字」と評価するメディアもあった。

 

この活躍を受けて、カブスマリナーズヤンキースアスレチックスなど、複数の球団が興味を示している。

 

メジャーでもレッズのように大幅なペイロールの削減に取り組む球団もあり、そうした球団は欲しくても手を出せないだろう。

 

ニック・カステヤノス(レッズ)はクオリファイング・オファーの1年1840万ドルを拒否している。ほかに、メッツのマイケル・コンフォートも拒否する意向であることが報じられている。

 

 

外野手を「wRC+」で比べてみると?

 

打率や本塁打数、OPSなど個々のデータで比べてみても選手全体の評価は難しいので、コーナー外野手として期待値の高い打撃能力をwRC+」で比べると、エディ・ロサリオブレーブス)やホルヘ・ソレアーブレーブス)は、ポストシーズンで大活躍したが、ロサリオのシーズンfWARは0.9、wRC+98とそれほどでもない、ソレアーなどはfWARマイナス0.2で、wRC+100と並みの成績しか残していない。

 

ただし、ポストシーズンに強いということはある程度の査定アップにつながる。とくに投手などはポストシーズンの経験が豊富で好結果を残していれば、助っ人のような役割で夏のトレードデッドラインの移籍で有利に働くケースが良くある。逆に球界を代表する大エースでもポストシーズンに弱ければ評価は落ちる。

 

「wRC+」とは、ご存じの方も多いがセイバーメトリクスの打撃指標の一つで、打撃能力や出塁能力の高さを平均的な打者を100として比べた場合の数値。これには「パークファクター」も含まれている。「wRC+」は100で平均、120で平均以上、140以上あると非常に優秀と判断して良い数字だ。

 

ちなみに、大谷翔平の今季のwRC+は152だから、リーグの平均的な打者と比較して「非常に優秀」で52%も得点を創出できているということがわかる。トップはブライス・ハーパーのwRC+170だった。

 

上の一覧ではニック・カステヤノスがwRC+140でトップ。2019年のNPBでの鈴木誠也の「wRC+」は驚異の179(もちろんNPB1位)だった。