2021-2022年オフのフリーエージェント(FA)市場で気になる選手たちを紹介している。
今回はMLB公式サイトでメジャー挑戦が報じられた鈴木誠也外野手にスポットを当てたい。
MLB移籍情報
例年、質はともかくとして「外野手」というポジションは量的には多いが、今季は人材(大物)が少ない気がする。
これは鈴木にとっては需要と供給のバランスから考えて多少は有利な気がする。
米メディア『CBSスポーツ』が、今オフに獲得できるFAランキングトップ50を発表したが、それによると鈴木誠也は15位だった。
『ESPN』が発表したFAトップ50では17位にランクイン。具体的に契約内容まで予想しており、鈴木は4年総額4800万ドル(約54億7000万円)の予想だった。
移籍専門サイトの『MLBトレード・ルーマーズ』(MLBTR)では鈴木を20位とし「正右翼手として出場できるポテンシャルがあり、メジャーの中軸を打てる十分なパワーがある」と評価。
このサイトの契約予想は、5年総額5500万ドル(約60億5000万ドル)で、フィットする球団としてフィリーズとレンジャーズ、マーリンズ、カブス、ブルワーズ、タイガース、ナショナルズを挙げている。
注目外野手がQO拒否でFA市場に
注目外野手のニック・カステヤーノス(レッズ)はクオリファイング・オファー(QO)の1年1840万ドルを拒否している。ほかに、メッツのマイケル・コンフォートも拒否する意向であることが報じられている。
メジャーでもレッズのように大幅なペイロールの削減に取り組む球団もあり、そうした球団は鈴木を欲しくても手を出せないだろう。
カナダのメディアでも鈴木をFAトップ50の中で紹介
現地11月12日(日本時間13日)、カナダメディア『TSN』(The Sports Network)が、「MLBフリーエージェント(FA)トップ50」と題した記事を掲載。気になる方は下記にリンクを貼っておくので参照していただきたい。
そのトップ50の中でも鈴木は22位にランクイン。1位がカルロス・コレア、2位がコーリー・シーガー、3位がマーカス・セミエン、4位がマックス・シャーザーなどそうそうたる選手たちが名を連ねるリストの中に日本の鈴木が入っている。
外野手では10位のニック・カステヤーノス外野手がトップランクで、スターリング・マーテイ外野手が12位、メッツのマイケル・コンフォート外野手が21位で、その次が鈴木の順だった。
鈴木誠也(広島)は今季、132試合に出場して打率.317、出塁率.433でリーグトップに輝き、個人タイトル二冠を獲得した。本塁打もキャリアハイの38本塁打、OPS1.079だった。
解説のスティーブ・フィリップス氏(元メッツGM)は「驚異的なPlate Discipline(87四球/86三振)を持っており、これはMLBでも通用するだろう」とコメント。
契約に関しては「関心は両方の海岸から来るだろう。メッツ、ナショナルズ、フィリーズ、パドレス、ジャイアンツ、レンジャーズが彼の獲得に乗り出すだろう。テキサス(レンジャーズ)は彼に4年間6000万ドル(約68億円)で契約するだろう」と予想した。
ブルージェイズ番記者のスコット・ミッチェル氏は「広島カープのスターは今年の宝くじであり、プライムエイジの外野手は26歳のシーズンに38本のホームランを放ちOPS1.079をマーク、多くのチームの関心を集めている。」と見解を述べた。
ただ、地元ブルージェイズが鈴木の獲得に乗り出すことはなさそうで、「彼が契約する前に現在の外野手陣の状況が変わらなければ興味はないだろう」としている。
現地12月1日が締切期限のMLBとMLBPAの新CBA(統一労働規約)が無事締結され、鈴木のポスティングがスムーズに進むことを祈りたい。
▽記事参考/引用