メジャーリーグ公式サイトが、30球団の開幕予想スタメン、先発ローテーション、クローザーを公開した。このうち日本人メジャーリーガー所属の球団をゆっくりと紹介していきたい。
第1弾は大谷所属のエンゼルス
今季も二刀流で挑戦する大谷翔平。そのエンゼルスの先発ローテーションは下記。大谷は負担の少ない6番手扱いと予想されている。クローザーはライセル・イグレシアスでキャリア6年で106セーブ。昨年は防御率2.74、FIP1.84、奪三振率12.1。
エンゼルスの先発ローテーション
SP1 ディラン・バンディ
SP2 アンドリュー・ヒーニー
SP3 グリフィン・キャニング
SP4 ホゼ・キンターナ
SP5 アレックス・カッブ
SP6 大谷翔平
打線のラインナップ
1(二)デービッド・フレッチャー
2(一)ジャレッド・ウォルシュ
3(中)マイク・トラウト
4(三)アンソニー・レンドン
5(左)ジャスティン・アップトン
6(指)大谷翔平
7(右)デクスター・ファウラー
8(遊)ホゼ・イグレシアス
9(捕)マックス・スタッシ
昨年、ジャレッド・ウォルシュがプチブレイクしたのは打線に幅ができて大きいかもしれない。
ウォルシュは元二刀流の選手。昨年10月に「今季、大ブレイクしたルーキー② ジャレッド・ウォルシュ(エンゼルス)」というタイトルで彼の活躍を紹介したが、マイナー時代に23試合に登板。2勝2敗、防御率3.32を残している。
打撃が良くてルーキークラスからメジャーの予備軍であるAAAまで合わせて打率.301、出塁率.375、長打率.538、OPS.913と、マイナーとはいえ結果を残してきた。AAA級ソルトレイクでは96試合で36本塁打を放っている。そして、昨年途中から昇格して32試合で9本塁打、26打点、OPS.808をマークした。
左投げ左打ちで、40歳を超えたアルバート・プホルスとツープラトン打線も考えられるが、ジョー・マドン監督は策士だからいろいろ考えているに違いない。
大谷が先発登板する場合、その前後は休暇日になることが多く、その場合に4番指名打者にプホルスを入れて2番マイク・トラウト、3番アンソニー・レンドン、6番ジャレッド・ウォルシュという打線が組める。
問題は1番打者で、若手のデービッド・フレッチャーより実績でいうとデクスター・ファウラーだろう。
ファウラーはマドン監督でワールドシリーズを制したカブス時代もリードオフマンという位置づけの選手だった。キャリア13年で、34歳になって以前ほどの走塁は期待できないが、通算盗塁数148、出塁率.358という実績どおりのパフォーマンスを出してくれれば面子は揃っているので、得点力はアップして面白い打線になる。
投手力は最近ではマシな方
補強のプライオリティーは先発ローテーションを中心とした投手力だったので、トレバー・バウアーは獲得できなかったもののホゼ・キンターナとアレックス・カッブを追加したのは大きい。
この10年間のエンゼルスは野手には大金を投じるが、投手力の補強は効果がなかった。投打にアンバランスな感じで補強が下手なイメージだったが、さすがにゼネラルマネージャー(GM)が変わって多少は投手力の強化にも乗り出した。
それでも先発ローテーションはBクラスだ。ブルペンはもっと酷い気がする。Cクラスだ。
先発ローテでは大谷の復活に期待したい。ホゼ・キンターナに加えて田中将大や菅野智之という選択肢もあったように思う。
しかし、大谷がシーズン10~15試合で5勝でもしてくれれば、それが無理でも投手で20イニング以上という「二刀流(Two Way Player)」のカテゴリーをクリアしてくれれば、来季以降に期待がつながる。
大谷は体調も良く新しい器具を右腕につけて投球練習をしているという報道で、シアトルの有名なトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」のメソッドを採り入れているという。復活した大谷に期待したい。
ポジティブで研究熱心な彼ならビッグリーグで「二刀流」として大成功できるはずだ。
2009年に地区3連覇を達成した頃から考えるとずいぶん影が薄くなったイメージのエンゼルスだが、新GMに期待したい。