前回は、アメリカンリーグの東地区を紹介したので、今回はナショナルリーグ(NL)の東部地区の球団の補強ニーズを紹介したい。
MLB移籍情報
今オフのメジャーリーグは、昨年に比べてFA市場に先発投手が多いが、注目選手にスコット・ボラス氏のクライアントが多く、いつものようにスローで時間ぎりぎりまで交渉するような展開が予想される。
ナ・リーグ東部地区
ブレーブス
ブライアン・マッキャンは引退し、フランシスコ・セルベーリとタイラー・フラワーズの両方がフリーエージェントになった捕手が補強ニーズ。 このうちフラワーズとは契約オプションを破棄したうえで、400万ドルの1年契約(バイアウト200万ドルを加えると600万ドル)で再契約を結んだ。
チーム内プロスペクトランキングの5位にシェー・ラングリアーズ捕手(22歳)と8位にウィリアム・コントレラス捕手(21歳)がいるが、彼らが成長するまでにはベテランの力が必要で、ヤスマニ・グランダルや17年に捕手部門の「フィールディング・バイブル・アワード」などを受賞したマーティン・マルドナードが候補になっている。
ブレーブスはニック・マーケイキス外野手ともフラワーズと同様に契約オプションを破棄(バイアウト200万ドル)したうえで、400万ドルの1年契約を結んでいる。今季37本塁打のジョシュ・ドナルドソンにはクオリファイング・オファーを提示。彼もQOを破棄したうえで新たに契約を更新する可能性が高い。
マーリンズ
再建期のチームは攻守ともに課題が多い。リリーバーのチーム防御率4.97(MLB25位)、WARではMLB最低の30位。ブルペンの強化が優先事項。セットアッパー、クローザーなど各分野で整備が必要だ。ただ、集客を考えれば、MLB29位の得点力も改善する必要がある。マーティン・プラド三塁手とスターリン・カストロ二塁手がFAで、攻撃力は、さらに低下している。
メッツ
メッツのブルペン防御率4.95は、メジャーで25位と低調で、それは期待して補強したエドウィン・ディアスとジェウリス・ファミリアの不調によるところが大きい。ここに2人ぐらいは力のあるリリーバーを追加したい。MLB.comの記事では中堅手の獲得を優先事項に挙げている。今季はブランドン・ニモが正中堅手だったが、打率.221、8本塁打、29打点、WAR0.9ではあまりにも非力だ。右翼はマイケル・コンフォート(33本塁打、92打点、OPS.856)、左翼はJ.D.デービス(22本塁打、57打点、OPS.895)がいる。
ほかに、両かかとの手術でシーズン全休したヨエニス・セスペデス外野手(20年2950万ドル)は16年から19年の3年間で119試合しか出場しておらず不良債権化している。
ナショナルズ
レンドンとストラスバーグにQOを提示したナショナルズ。ワシントン・ポストのバリー・スバルーガによると、ナショナルズは9月上旬にレンドンに対して総額2億1000万~2億1500万ドルほどの7年契約をオファーしたという。チームの生え抜き選手で、146試合、打率.319、44二塁打(リーグ1位)、34本塁打、126打点、OPS1.010の成績を残し、打点王のタイトルを獲得した三塁手の引き留め工作が最優先事項。その次にストラスバーグの再契約交渉や救援投手の補強がある。
フィリーズ
フィリーズはアーロン・ノラ、ジェイク・アリエッタの後に続く先発3番手から5番手までが補強ニーズだろう。現状では先発ローテーションに左投手が一人もいない。 そういう意味では右腕ゲリット・コールよりも左腕のマディソン・バムガーナー、コール・ハメルズ、ウェイド・マイリー、ダラス・カイケルの方がニーズに合っているかもしれない。
▼記事参考
https://www.mlb.com/news/every-mlb-team-s-offseason-priority
https://www.mlb.com/news/every-major-league-team-biggest-2020-offseason-need