MLBの2018年から2019年にかけてのフリーエージェント(FA)市場動向を紹介。今回は 《先発投手編》の第2弾。
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今オフもフリーエージェント(FA)市場は選手たちにとっては厳しい状況。FA契約は、オフの最初の50日間で5.2%しかメジャー契約が決まっていなかった。
昨オフもFA市場は冷え込んだ。ジェイク・アリエッタ、J.D.マルティネス、エリック・ホズマー、ダルビッシュ有ら有力選手もなかなか決まらず、スプリングトレーニング直前に決まった選手も多かった。
しかし、それでも最初の50日間でFA契約は5.5%で今オフよりはマシだったということになる。
Jerry Dipoto joined @710ESPNSeattle yesterday to discuss the signing of Yusei Kikuchi and where the roster stands heading into the new year.
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— Seattle Mariners (@Mariners) 2019年1月3日
菊池雄星のポスティング制度による移籍先がマリナーズに決まった。想定内のチームだったが、契約内容が複雑だ。
約束されているのは3年4300万ドル。これがベースになる。4年目は菊池とマリナーズの両者に選択権があるミューチュアル・オプション(Mutual Option )のような契約で、菊池はオプトアウトしてFAになることもできるし4年目の2022年の契約(1300万ドル)を選択することもできる。これにより菊池には少なくとも4年5600万ドルが保障されている。
マリナーズが引き続き菊池との契約延長を望む場合には2022年から4年6600万ドル。契約延長するということは、菊池がローテーションの中核として機能していることを意味しているので、4年6600万ドル、年平均1650万ドルなら割安感のある契約だ。
マリナーズが4年以降を破棄する場合は、菊池がFAか4年目1300万ドルで1年だけチームにとどまることができる契約で、長期契約によるリスクを回避したいマリナーズ側と、逆に好成績を残した場合にオプトアウトして好条件の契約を手にできる選手側の思惑が見て取れる契約内容だ。
この金額に応じて別途、NPBの西武にはポスティングの譲渡金が支払われる事になるが、確定している3年4300万ドルに対しては815万ドル(約9億円)になる計算になる。
ただ、マリナーズがオプションを選択した場合は最長で7年総額1億900万ドルになり、その場合は譲渡金も増額されることになるが、契約内容が複雑なためメディアでも混乱しているようだ。
Yusei Kikuchi has arrived. pic.twitter.com/i5Wqg5IGAy
— Seattle Mariners (@Mariners) 2019年1月3日
下記の表は、契約金額の高い順に移籍先の決まった先発投手たちだが、先発投手たちは、まだ決まっているほうで、ここまで15人(菊池、サバシア、柳を入れて18人)が決まった。
《移籍先が決まったFA先発投手》
()内は前所属チーム
パトリック・コービン(ダイヤモンドバックス)→ナショナルズ
ネイサン・イオバルディ(レッドソックス)→再契約
J.A.ハップ(ヤンキース)→再契約
ランス・リン(ヤンキース)→レンジャーズ
マイク・ファイアーズ(アスレチックス)→再契約
マット・ハービー(レッズ)→エンゼルス
タイソン・ロス(カージナルス)→タイガース
マット・ムーア(レンジャーズ)→タイガース
ジョーダン・ライルズ(ブルワーズ)→パイレーツ
ケンドール・グレイブマン(アスレチックス)→カブス
※CCサバシア(ヤンキース)再契約
※柳賢振(ドジャース)QO受託
《残っている主なFA先発投手》
ダラス・カイケル(アストロズ)
クレイ・バックホルツ(ダイヤモンドバックス)
ジオ・ゴンザレス(ブリュワーズ)
ウェイド・マイリー(ブリュワーズ)
ブレット・アンダーソン(アスレチックス)
エドウィン・ジャクソン(アスレチックス)
バートロ・コロン(レンジャーズ)
ハイメ・ガルシア(カブス)
アダム・ウェインライト(カージナルス)
ミゲル・ゴンザレス(ホワイトソックス)
フランシスコ・リリアーノ(タイガース)
クリス・ティルマン(レンジャーズ)
ヨバニ・ガヤード(レンジャーズ)
◇記事参考
Baseball’s Hot Stove Has Gone From Cold To Basically Turned Off