マーリンズからフリーエージェント(FA)のイチロー外野手がSNSに打撃練習の様子を公開している。
イチロー伝説
先日、ティム・リンスカムもショーケース(公開練習)を複数のメジャースカウトたちの前で行い、レンジャーズと契約に合意したと伝えられた。
イチローの打撃練習の動画は「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲール記者も現地2日に自身のツイッターで紹介。この「ほっともっとフィールド神戸」でのショーケースとも言える動画は、今も拡散して話題になっている。
Spring training has started and Future Hall of Famer Ichiro Suzuki is still looking for a job pic.twitter.com/W786gZpXYP
— Bob Nightengale (@BNightengale) 2018年3月1日
イチローはメジャーリーグでのプレー続行をまだまだ続けていく考えのようだ! https://t.co/puPZflJzaB
— MLB Japan (@MLBJapan) 2018年3月2日
イチローにとって不運だったのは、史上最悪といわれたFA市場の動き。
あくまでも選手サイドから見た話だが、その中で外野手は、J.D.マルティネスやロレンゾ・ケイン、ジェイ・ブルースなどメジャー契約が11名に留まり、マイナー契約の16名をいれても30名弱。
FA市場には、多くの選手があふれかえり、イチロー以外にもホセ・バティースタ(37歳/ブルージェイズFA)といったベテランからメルキー・カブレラ(33歳/ロイヤルズFA)やカルロス・ゴンザレス(32歳/ロッキーズFA)など脂の乗った選手たちが移籍先を模索している。その数は、ざっと数えても30人ちかくいる。
しかし、球団サイドから見ると、やや趣が変わるかもしれない。2010年のオフ、これまでマネー合戦には無縁だったナショナルズがジェイソン・ワースと7年1億2600万ドル(当時のレートで約104億円)の異例ともいえる長期契約を結んだ。
これは物議を醸した。一部のメディアはワースの契約を「史上最悪」と酷評し、多くのGMは契約金高騰を招いたナショナルズに対し、批判の意見が多かった。
放映権料の長期契約が締結するなど、MLBの経営は安定し始めていた事もその一因で追い風になった。
そのワースは、11年こそ150試合に出場したが、それ以降、100試合にも達しないシーズンが3シーズン。細かい数字は調べていただきたいが、本塁打が20本にも満たないシーズンが4年あり、OPSで.800を超えたのは12年~14年の3シーズンのみで、このオフにFAになった。
ワースだけではないが、これだけを見ても長期契約が、いかにリスクを伴うものかが分かる。球団側も二の足を踏むはずだ。
しかし、イチローは、たったの2ミリオン(200万ドル)で、球史に残る史上30人目の「MLB3000本安打」など、集客の悪かったマリナーズの客寄せパンダとしても貢献。クラブハウスでの雰囲気づくりや、スタントン、オスーナ、イエリッチといた若手の外野陣にもメンターとしてリスペクトされた。
“レジェンド”イチローの移籍先が決まるのか、44歳の春は、まだ寒い日が続いている。