現地時間10月17日、ロサンゼルス──この夜、ドジャースタジアムは歓喜と驚嘆に包まれた。ナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦、ドジャースの大谷翔平が「1番・投手兼DH」として先発出場し、まさに“リアル二刀流”の真髄を見せつけた。
大谷翔平 伝説
大谷は先発投手として6.0イニングを投げ、2安打無失点、10奪三振の快投を披露。打者としても3打数3本塁打3打点を記録し、先制、中押し、ダメ押しと全てを決める活躍。MLBポストシーズン史上初となる「1試合3本塁打&10奪三振」の偉業を成し遂げ、シリーズMVPに輝いた。

ドジャースファンの期待を背負い、初回から圧巻の投球を見せた大谷。先頭打者に四球を与えたものの、その後の3者を連続三振で仕留めた。フォーシームは100マイル(約161キロ)を超え、スタジアムの雰囲気を一変させた。
そしてその裏、打者・大谷が魅せる。相手先発左腕ホセ・キンタナのスラーブを完璧に捉え、ライトスタンド上段へと運ぶ先頭打者本塁打を放った。
投手のポストシーズン先頭打者弾はMLB史上初の快挙だった。打球角度は25度、飛距離は446フィート(約136メートル)。
4回の第3打席でも快音を響かせ右中間スタンド奥のルーフを越える場外ホームランを放った。打球速度は116.9イル(約188キロ)、飛距離469フィート(約143メートル)という一打に、ベンチの同僚たちは頭を抱えて驚愕した。
7回には左中間へダメ押しの3本目。打球速度は114マイル(約183キロ)、飛距離469フィート(約130メートル)。1試合3本。まさに“翔タイム”の真骨頂だった。
THE DODGERS STARTING PITCHER TONIGHT THREW 6 SCORELESS INNINGS AND STRUCK OUT 10 BATTERS AND DID THIS pic.twitter.com/zkGcCndp9G
— Codify (@CodifyBaseball) October 18, 2025
試合後、大谷は「全体的には出来すぎだった」と謙虚に語りつつも、7回に2人の走者を残して降板したことに悔しさを滲ませた。完璧を求める姿勢こそが、彼を唯一無二の存在へと押し上げている。
この試合でドジャースは4連勝を果たし、NLCSを突破して2年連続でワールドシリーズ進出を決めた。
打撃不振に苦しんでいた大谷だったが、重要な試合で二刀流としての実力を存分に発揮し、歴史的な活躍でチームを勝利に導いた。デーブ・ロバーツ監督は「翔平に乾杯!」と祝杯を挙げ、チームメイトたちからも「彼はユニコーンだ」「想像を超えてくる」と絶賛の声が相次いだ。
大谷翔平──その名は、もはや伝説ではなく、現実の奇跡だ。野球というスポーツの可能性を広げ続ける彼の背中に、世界中のファンが夢を託している。