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【MLB移籍情報】今オフ注目のFA市場の選手たち:野手編

 

MLB移籍情報 (2025-2026オフシーズン)

 

2025年から2026年のMLBオフシーズンでは、フリーエージェント(FA市場)に多くのスター選手が名を連ね、例年以上に活発な動きが予想されている。特に、オプション条項を持つ選手や契約最終年を迎える実力者たちの去就が注目されている。

 

 

 

以下は、今オフ注目のFA市場の選手たちだが、ここでは野手に焦点を当て紹介したい。

 

★野手

カイル・タッカー(カブス/28歳)

2024年12月にアストロズからカブスへトレードされたタッカーは、今オフのFA市場で最も注目される外野手の一人。

 

 

2018年にアストロズでデビューし、右翼手として22年にゴールドグラブ賞、23年に112打点でア・リーグ打点王に輝き、4年連続でオールスターに選出された。

 

2025年シーズンは、左ふくらはぎの負傷などの影響で前年のOPS.993から成績が落ちたのがマイナス要因。それでもOPS.841を記録し、安定した活躍ができる万能型として高い評価を得ている。

 

外野の両翼に不安が残るドジャースが最有力とされ、個人的にもフィットしそうな気がする。ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者によると「ドジャースはタッカーを非常に気に入っているし、オフの補強ポイントにも合致すると考えている」としている。

 

いずれにせよ、総額4億ドルを超える契約が予想されるため、資金力のある球団以外は獲得に慎重になりそうだ。ヤンキースジャイアンツなど、複数の球団が関心を示している。

 

 

アレックス・ブレグマン(レッドソックス/31歳)

 

ブレグマンは、レッドソックスとの3年総額1億2000万ドル(約181億円)の契約のうち、残り2年分(約120億円)を破棄し、オプトアウトを行使した。これにより、今オフにFA市場に出る。4〜5年の中期契約が現実的と見られている。

 

2025年シーズンは114試合に出場し、打率.273、18本塁打、62打点、OPS.821を記録。守備面でも高評価を受けており、2024年にはゴールドグラブ賞を受賞している。

 

ラファエル・デバースをジャイアンツへ放出したことで、レッドソックス三塁手の長期的な確保に向けてブレグマンとの再契約を模索する可能性もある。

 

今後の動向は、FA市場の展開次第で大きく変わる見込みで、タイガースは、昨年オフに6年総額1億7150万ドルのオファーを提示したと報じられており、元監督A.J.ヒンチとの再会も期待される。

 

ほかには、ブルージェイズマリナーズ、ロイヤルズ、ドジャースの名前も挙がっている。

 

 

ピート・アロンソ(メッツ/30歳)

 

2025年の成績は打率.272、38本塁打(リーグ4位)、126打点(同2位)を記録し、長打力は健在。アロンソ側は少なくとも7年契約を希望しており、契約総額は1億7500万ドル〜2億1000万ドル(約264億〜317億円)を求めていると報じられている。

 

ただ、守備力の低下と将来的なDH(指名打者)移行の可能性から、長期契約には慎重な見方もある。

 

最有力候補として挙げられているのは、同じナ・リーグ東地区のフィリーズだが、もしそうなればメッツファンにとっては「最悪のシナリオ」だろう。エンゼルスマリナーズが興味を示しているとの報道もある。

 

 

ボー・ビシェット(ブルージェイズ/27歳)

 

ビシェットは2025年9月6日のヤンキース戦で捕手との激突により左膝を負傷し、以降試合に出場してないが、ブルージェイズワールドシリーズ進出を果たし、10月24日(日本時間25日)の第1戦に出場できる見通し。本人も「プレーする準備はできている」とコメントしている。

 

2025年は139試合で打率.311、OPS.840と打撃面で復調し、再び注目を集めている。守備面での不安は残るが、遊撃手としての打撃力は魅力。FA市場ではエンゼルス、ツインズやカージナルスが関心を寄せている。

 

 

カイル・シュワーバー(フィリーズ/32歳)

 

今季56本塁打を記録し、大谷翔平を抑えて本塁打のタイトルを手中にした。DH専任に近いが、左の大砲として需要は高く、FA市場での価値が急上昇。

 

 

フィリーズは彼との再契約を検討しているが、推定1億5000万ドルの5年契約が必要とされ、球団にとっては大きな投資となる。

 

シュワーバーは試合後に「このチームでプレーできたことを幸せに思う」と語り、別れを示唆するような発言もあった。

 

一部報道では、ヤンキースが獲得に積極的との見方もあり、オフシーズンに争奪戦が予想されている。

 

 

★その他注目選手


コディ・ベリンジャー(カブス/30歳)

2025年シーズンは打率.272、29本塁打、98打点と安定した成績を残し、ヤンキースの力選手として活躍した。特に左投手に対して強さを見せた。低迷期もあったが、守備力と長打力を兼ね備えた外野手として復活。オプトアウト権を行使し、フリーエージェント(FA)になる意思を固めたと報じられている。

 

J.T.リアルミュート(フィリーズ/34歳)

2025年シーズン終了後にFAとなる見込み。捕手としての経験とリーダーシップが評価されており、FA市場でも注目される存在。

 

 

NPBからの注目選手


村上宗隆(ヤクルト/25歳)

 

ポスティングシステムを利用してMLB移籍を目指すNPBを代表するスラッガーMLB公式サイトでも今オフの注目選手30人の1人として7位にランクインしていた。

 

複数の米メディアが村上選手の移籍先として以下の球団を挙げている。

 

メッツが有力な移籍先とされているが、三塁・一塁に空きが出る可能性のあるマリナーズも獲得に乗り出す可能性もあるだろう。日本人選手の実績も豊富な球団だ。

 

左打者にパンチ力のある選手がほしいヤンキースにもフィットしそうだ。レッドソックスではブレグマンが抜けた場合の後釜として期待できるかもしれない。

 

 

ドジャースでもマックス・マンシーが退団すれば、有力な候補になるだろう。大谷翔平や山本由伸との日本人ラインという点も魅力的だ。

 

ほかに、読売ジャイアンツ岡本和真内野手(29歳)がポスティングシステムを利用してMLB移籍を目指す方針を発表した。

 

岡本は、2025年はケガの影響で77試合の出場ながら15本塁打OPS.992という高い数字を記録した。NPBでの通算成績は打率.277、本塁打248、出塁率.361、長打率.521、OPS.882と安定している。

 

 

2025-2026年のオフシーズンは、FA市場における大型契約やサプライズ移籍が相次ぐ可能性があり、ファンにとって目が離せない展開となりそうだ。