ミルウォーキーの夜空に響いた歓声は、昨季王者ドジャースの底力を物語っていた。10月13日(日本時間14日)、アメリカンファミリー・フィールドで行われたナショナル・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第1戦は、ドジャースがブリュワーズを2対1で下し先勝した。
NLCS GAME1 ドジャース勝利
【ブリュワーズ1-2ドジャース】
スネルが支配的な投球
この試合の主役は、間違いなくブレイク・スネルだろう。先発マウンドに立った左腕は、8イニングを投げてわずか1安打、10奪三振、無失点という圧巻の内容。キレのあるストレートと変化球のコマンドが抜群で、ブリュワーズ打線を完全に封じ込めた。
スネルは「自分の投球ができた。チームが勝てて何より」と語り、ポストシーズンでの自己最高のパフォーマンスに満足げな表情を見せた。
THE DODGERS HOLD ON!! pic.twitter.com/giASFoYZyk
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) October 14, 2025
ドジャース打線はオープナー戦術の相手から7本のヒットを放ち、何度かチャンスを作ったが、タイムリーが出なかったり、不運なダブルプレーで得点の機会を逃した。それでも6回にはフレディ・フリーマンがライトへのソロ本塁打で先制。
9回にはムーキー・ベッツが押し出しの四球で貴重な追加点を挙げた。その直前の打席に立った大谷翔平は、2打数無安打ながら3四球を選び、9回には申告敬遠で出塁。ベッツの押し出しにつながる重要な役割を果たしている。

佐々木朗希、試練の9回 それでもドジャースは勝利を手放さず
9回のマウンドには佐々木朗希が登板。2点リードの場面だったが、1アウト2・3塁のピンチを招き、犠牲フライで1点を失った後、四球で降板。ロバーツ監督は、ここでブレイク・トライネンを投入。
その百戦錬磨のベテランリリーバーが、最後は空振り三振で満塁のピンチをしのいだ。この場面でフルカウントからの1球はシビレる瞬間だった。佐々木にとっては悔しい内容となったが、ドジャースはこの継投策が功を奏し、チームは貴重な敵地での勝利を手にした。
敵地での第1戦勝利は大きな一歩だ
この勝利は、ドジャースにとって大きな意味を持つ。MLBポストシーズンの歴史では、7戦制シリーズの初戦に勝利したチームがシリーズを制する確率は約64%とされており、ドジャースは有利な立場を手にしたことになる。
明日の第2戦には、山本由伸が先発予定。山本はメジャー2年目。30試合に先発するなど安定した成績を残し、先発ローテをけん引してきた右腕は、ブリュワーズ打線に対してどのような投球を見せるか注目が集まる。
7月の対戦では初回に打ち込まれて1イニングも持たずに降板したので、リベンジに期待したい。スネルの快投に続き、山本が流れを引き継げるかが、シリーズの行方を左右する鍵となるだろう。
ドジャースはレギュラーシーズンでブリュワーズに6戦全敗と苦戦していたが、この初戦の勝利でその流れを断ち切った。短期決戦のNLCS、勢いを手にしたドジャースが、このまま突き進むのか、それともブリュワーズが巻き返すのか。第2戦のプレーボールが待ち遠しい。