MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

広島“黒田フィーバー” 楽天、ロッテ、日本ハムには恩恵なし

“黒田フィーバー” 楽天、ロッテ、日本ハムには恩恵なし

 

 

交流戦の制度変更が裏目

 

「クロダノミクス」というワケのわからない造語がある。広島東洋カープ男気・黒田博樹フィーバーに期待したパ・リーグの営業担当者には、悲喜こもごもの展開が待っていた。

 

両リーグが対戦する交流戦が今年から変更になり昨年までのホーム&ビジター方式(計24試合)から、今季は「各カード3試合。1年ごとに主催球場をホームとビジターで入れ替える」という18試合制への変更が決まっている。

 

そこで、当初はパの各チームも「1年ごとに本拠地が代わるだけなら」とセ・リーグの提案を受け入れたものの、今季はメジャー帰りの黒田博樹の影響もあって、「広島戦」の集客が好況。交流戦でも広島戦はどの球場も満員が予想されている。営業担当からすれば、人気面で期待できなかったカードが、今年はプラチナカードに変わりそうな状況を見逃したくない。

 

ところが、この変更によりパの球団で「ドル箱」の広島戦をホームで行えるのは、ソフトバンクオリックス、西武の3球団だけ。楽天、ロッテ、日本ハムはビジターでの3連戦しかなく、「クロダノミクス」で潤う他球団の姿を歯がゆい思いで見るしかない。

 

しかも、このカードは、来季は期待できないという意見もある。タブロイド紙によれば、

「来季はホームで広島戦を行えるとはいえ、今オフにはマエケン前田健太)がメジャー移籍する可能性が高いし、黒田だって成績次第では引退してしまうかもしれない。そうなれば、今年ほど広島戦の集客は期待できない。運が悪いといわれればそれまでですが、黒田フィーバーが盛り上がれば盛り上がるほど楽天、日ハム、ロッテの営業担当者は歯噛みすることになるでしょうね」と、パ関係者。

 

ちなみに、観衆3万人とした場合の1試合の平均的な売上額は、チケット代や物販を含めおよそ1億円といわれる。3連戦なら軽く3億円は稼げた。営業担当者が悔しがるのもムリはない。