MLB公式サイトなど複数のメディアによるとレッドソックスの澤村拓一とオースティン・デービスの両投手がDFAになった。
これはザック・ケリーとケイレブ・オートの2投手をマイナーから昇格させるのに伴い40人枠を空ける措置だ。
事実上の戦力外通告という記事もあったが、実際はどうだろう?
デービスと澤村はロースターの40人枠から外れ、ウエーバーにかけられることになる。
メジャー2年目の澤村は、今季ここまで49試合に登板して50回2/3を投げ、1勝1敗、3ホールド、防御率3.73、40奪三振を記録。
メジャー通算では104試合に登板。通算防御率3.39、WHIP1.44、奪三振101、K/9は8.77、BB/9は5.12だった。
7月初旬の時点で防御率は2点台で、6月も防御率2.16だったが、7月と8月が共に4点台でWHIPも7月が1.60と悪く、8月も1.97と悪化し、その安定感のない投球内容が信頼を無くす要因になったようだ。
絶望的な数字でもないので、まだまだメジャーで通用するような気がするのだが...。
レッドソックスのブルペンはメジャー30球団で27位(防御率 4.54) と苦しんでいる。
MLB公式サイトによると現地28日のレイズ戦に4対12で敗れた後、監督室によばれた澤村は今回の措置(DFA)を告げられたという。
澤村は「色々な思いはありますが、今ここで言っても仕方ない。お世話になった人に挨拶しなきゃいけない」とコメント。
今回メジャー40人枠に昇格するザック・ケリー投手は27歳で初昇格。30歳のケイレブ・オート投手はシーズン序盤に12試合に登板した後にマイナーに降格。マイナーでは39試合で防御率2.88を記録している。
澤村の契約内容もDFAの要因か?
澤村の契約は、登板試合数によるインセンティブが設定されており、加えて2年契約の2年目で、3年目となる来季は、沢村と球団の両者が選択権を持つ「デュアルオプション契約」を結んでいた。
今季49試合登板はチーム3位と、ブルペンの屋台骨を支えてきた中で、球団は、マイナー通告ではなく、40人枠を外す形を取った。
これで来季の相互オプションは自動的に破棄され、球団側はバイアウトの100万ドルを支払うが来季の300万ドルの契約と50試合、60試合の登板で発生する出来高契約のそれぞれ5万ドル(計10万ドル)をセーブすることができる。
次のチャンスを早めに与えたレッドソックスの措置
レッドソックスはワイルドカードでのポストシーズン(PS)進出の可能性も少なくなってきた。この事実を考慮した球団は早めに澤村をDFAして次に輝くチャンスを与えた。
早めにDFAすることで、澤村をウェーバーにかけて獲得に動いたチームが、PSで澤村を起用できる。登録の締め切りは8月31日(日本時間9月1日)の米国東時間11時59分だから、まだまだ時間はある。
PSでは力のあるリリーバーの需要は高まる。そのことはここでも何度か紹介した。
50試合登板という区切りの前にDFAになったのは、そうした契約上の問題と澤村の今後を考えての措置だったのだろう。
複雑な契約や規定が関係するメジャーらしい措置だ。
▽記事参考/引用