ジョン・レスターがナッツと合意
MLBは2020年に全体で約31億ドル(約3224億円)を失ったと報道されているが、平均すると各球団は1億ドル(約104億円)以上の減収になった。
その影響もあって例年になくスローテンポなフリーエージェント(FA)市場だが、最も高価な値段の付く先発投手の動向に変化があったので紹介したい。
実績ある左腕ジョン・レスターがナッツと合意
FA市場には20年サイ・ヤング賞のトレバー・バウアー、ヤンキースからFAの田中将大、リック・ポーセロ、ジェームズ・パクストン。
ベテランでは、J.A.ハップ、タイラー・アンダーソンなどの左腕投手とアダム・ウェインライトらが残っている。
The Nationals and LHP Jon Lester reportedly agree on a 1-year deal with a mutual option for 2022, per ESPN's @JeffPassan. pic.twitter.com/fQOC8Ss96Z
— MLB (@MLB) January 19, 2021
ジョン・レスターが現地時間18日(日本時間19日)、ナショナルズと合意した。契約内容の詳細は今後の報道を待ちたい。
37歳のレスターはメジャーキャリア15年間で通算193勝111敗、防御率3.60、2397奪三振のメジャーを代表してきた左腕だ。カブスから契約オプションを破棄されてFAになっていた。
クルーバーがヤンキースと1100万ドルで契約
コリー・クルーバーが現地13日(日本時間14日)、フロリダ州でメジャーリーグ球団向けのショーケース(公開練習)を開催したことは紹介したが、その直後にヤンキースと1年1100慢ドルで契約した。
ESPNのジェフパッサンは、クルーバーが時速88〜90マイルの速球で約30球を投げるのを見た後、「スカウトは感心して帰っていった」と付け加えていた。
これには25球団の関係者が視察したということをMLB公式サイトも伝えていた。彼の実績で、この時期に90マイルを投げていることなどから考えても複数の球団から(マイナー契約も含めて)何らかのオファーがありそうな気はしていたが、ヤンキースに決まった。
パドレスがトレードでマスグローブ追加、田中将大の移籍にも影響
今オフ、トレードでレイズからブレイク・スネル、カブスからダルビッシュ有を先発ローテーションに追加してリーグトップクラスの先発ローテを形成しつつあるパドレスが、ヤンキースからFAの田中将大の獲得も視野に入れているとの報道があった。
「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールによると、パドレスは水面下で田中将大の調査を続けているということだった。
ところが現地18日(同19日)になってパドレスがトレードで先発右腕ジョー・マスグローブをパイレーツから獲得した。このトレードは、パドレス、メッツ、パイレーツが絡む3球団トレードになっているということだ。
これで田中将大のパドレス移籍の可能性は低くなった。パドレスの先発ローテーは、ダルビッシュ、スネル、ディネルソン・ラメット、マスグローブ、クリス・パダックの5人が揃ったからだ。
こういう報道に飛ばし記事でもエンゼルスの名前が出てこないのが残念だが、エンゼルスが19年オフのようにゲリット・コール争奪戦に敗れ、今オフもトレバー・バウアーを逃がした後に「プランB」でもいいので田中将大と複数年契約してほしい。
▼契約が決まったFA先発投手
氏名(年齢)契約先 契約内容他
マーカス・ストローマン(30)メッツに残留 1年1890万ドル
ケビン・ゴーズマン(29)ジャイアンツに残留 1年1890万ドル
ドリュー・スマイリー(32)ブレーブス 1年1100万ドル
ロビー・レイ(29)ブルージェイズ 1年800万ドル
クリス・フレクセン(26)マリナーズ 2年475万ドル
マイク・マイナー(33)ロイヤルズ 2年1800万ドル
マイケル・ワカ(29)レイズ 1年300万ドル
ホゼ・ウレーニャ(29)タイガース 1年325万ドル
アンソニー・デスクラファニー(31)ジャイアンツ 1年600万ドル
コーリー・クルーバー(34) ヤンキース 1年1100万ドル
クリス・フレクセンは26歳右腕。20年はKBO斗山ベアーズで21試合に先発出場し8勝4敗、防御率3.01、FIP2.74だった。メジャーではメッツで27試合(先発11試合)で3勝11敗。
ストローマンとゴーズマンはクオリファイングオファーを受託した。結果的には正解だったかもしれない。
今オフのFA選手で年俸1000万ドル(約10億円)以上の契約を手にしたのはチャーリー・モートン投手(アトランタ・ブレーブスと1年1500万ドル)、ドリュー・スマイリー投手(ブレーブスと1年1100万ドル)、ジェームズ・マキャン捕手(ニューヨーク・メッツと4年総額4060万ドル)、リアム・ヘンドリックス投手(ホワイトソックスと4年5400万ドル)だけだ。
▽Information source
http://www.mlb.jp/category/news/#38766