投手コーチとスカウトも岩隈の役割
度重なる故障を克服して日米通算で170勝を挙げた岩隈久志氏が「Special Assignment Coach」としてメジャーリーガー時代に2012年から18年の7年間在籍したシアトル・マリナーズから招聘された。スプリングトレーニングから参加する。
岩隈の「素晴らしい労働倫理」は最適の教材
マリナーズの公式ブログで発表されたが、日本人元メジャーリーガーの特任コーチ就任は、これまでもあったことで、さほど珍しくもないが、ニュースが少ないこの時期だけに日本のメディアでも大きく取り上げて話題になっている。
岩隈ファンとしては嬉しいニュースだ。
Hisashi Iwakuma Joins Mariners As Special Assignment Coach by
🐻岩隈久志がマリナーズの特任コーチへ就任!#mlbjp@MarinersPR https://t.co/5yFQrPYfaN
— メジャーリーグ物語🇯🇵🇺🇸⚾️⚾️⚾️ (@buffaloueda) January 13, 2021
ジェリー・ディポトGMも評価
マリナーズのジェリー・ディポトGMは球団を通じて『クマがキャリアを通して見せてきた”a terrific work ethic“(素晴らしい労働倫理)やスキルは私たちのコーチや選手にとって必要なものだと思う』と説明。2月のスプリングトレーニングからコーチ業を始めるという。
■「特任コーチ」とは?
マリナーズの公式ブログではその「岩隈特任コーチ」の役割についても紹介している。
それによれば指導範囲はメジャーリーガーだけでなく傘下のマイナーリーガーにもおよび「イワクマの役割は、(メジャーやマイナーの)レベルを問わずマリナーズの投手や投手コーチらと働くことになる。シーズン中には定期的に傘下のチームを訪問し、それと共にマリナーズでの指導に時間を充てていく」としている。
岩隈の困難と戦う姿勢を若手のマイナーリーガーに伝えること
岩隈は近鉄や楽天など、けっして強豪チームに所属することなく、プロ野球で107勝69敗、マリナーズで63勝39敗と両リーグで勝率6割を超える「勝てる投手」だった。
「数字が名選手を作る」というが、マリナーズで150試合(先発136試合)、通算防御率3.42と、弱小球団でも結果を出してきたことは大きく評価できる。故障もが多かったことから、それらと戦いながらも確固たる実績を残した。
敬虔な仏教徒であることも有名で、「冬は必ずるとなる」という信仰に支えられた信念で、メジャーの第一線で結果を残してきた功績は若い選手たちの鏡になるだろう。
ディポトGMも「クマならコーチや選手達と共に働くピッタリの存在になる。彼はキャリアを通じてそのスキルがあることを証明してきた。どんな時でも準備万端で、練習への向き合い方も素晴らしい。メジャーリーグとマイナーリーグの両方で、彼がチームに加わることを楽しみにしている」と評価している。
スカウト担当として日米のパイプ役に
さらに岩隈氏は“日米のパイプ”としての役割も担当する。マリナーズ公式ブログでも「スカウト」として選手のカウティング活動にも携わることを記述している。
Iwakuma will work with Manabu Noto doing some scouting work in Japan.
公式ブログでは「コーチ業に加え、イワクマはマナブ・ノトと共に日本でスカウト業もこなしていく」とし、日本担当スカウトの能登学氏とともにNPBでプレーする選手の発掘を担うスカウティングも行うという。
これも日米両リーグを知っている有名選手が引き受けることが多い役割かもしれない。
岩隈の「メジャー100勝」や「日米200勝」をこのブログでも最初のころに応援目標として紹介していた。その夢は叶わなかったが、コーチやスカウトとしてそれを達成してくれる素晴らしい人材を発掘して育ててほしい。
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