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NL中部地区 各チームの補強ニーズは?
今回はこの2~3年、混戦状態のナショナルリーグ(NL)中部地区の各球団における補強ニーズを紹介したい。今オフのメジャーリーグは、注目選手にスコット・ボラス氏のクライアントが多く、いつものようにスローで時間ぎりぎりまで交渉するような展開が予想される。
ナ・リーグ中部地区
ブリュワーズ
マイク・ムスタカス三塁手、ヤズマニ・グランダル捕手とのオプションは相互オプションで選手側が破棄した。ムスタカスは143試合に出場し35本塁打、87打点、OPS.845。控えのトラビス・ショウは86試合で打率.157、7本塁打、OPS.551でチームには正三塁手が必要。
カージナルス
ナ・リーグ中部地区を3年ぶりに制したカージナルス。マーセル・オズーナの右翼とアダム・ウェインライト、マイケル・ワカの先発投手2人が抜ける先発ローテーションの整備が必要。このうちベテランのウェインライトとは、1年500万ドルで再契約した。通算162勝、最多勝2度、オールスター3度選出のベテラン右腕は、カージナルスで15年目の春を迎えることになる。
これにより先発ローテーションは下記の4枠が決定―。
ダコタ・ハドソン(16勝7敗、防御率3.35)
アダム・ウェインライト(14勝10敗、防御率4.19)
ジャック・フラハティ(11勝8敗、防御率2.75)
マイルズ・マイコラス(9勝14敗、防御率4.16)
残りの1枠は未定だが、この時期で既にローテーションの大枠が決まっていること自体が、このチームの強さを感じることができる。なお、プロスペクト・ランキングでMLB33位、BP21位の25歳アレックス・レイエス投手がデビューしている。
カブス
夏のニコラス・カステヤノスの加入はインパクトがあったが、その再契約とコール・ハメルズ投手がFAになった左腕の先発投手が補強ニーズ。
これは個人的見解だが、出塁率の良い秋山翔吾をセンターに入れて1番で起用、ヘイワードをライト、内外野を守れる若手のイアン・ハップを第4の外野手として秋山と競わせるのもいいかもしれない。
レッズ
リーグ13位だったブルペンの整備が必要。34セーブのクローザー、ライセル・イグレシアスは防御率4.16(FIP3.92)と不安定。彼のトレードの噂は毎年オフの恒例になっている。アリスティデス・アキーノ(19本塁打)は大いに期待できそうだが、ニック・センゼル(12本塁打)、ジェシー・ウィンカー(16本塁打)の若い外野陣は未知数だ。ここに安定感のあるベテランを補強することも考えられる。
パイレーツ
防御率5.40で、MLB全体で26位だった先発ローテーションは、クリス・アーチャー、ジョー・マスグローブ、トレバー・ウィリアムズがチームに残ったが、ジェイムソン・タイヨンは8月にトミー・ジョン手術で20年は戦力にならない。多くのチームがそうだが、混戦のこの地区を勝ち抜くには先発ローテのアップグレードが必要。フランシスコ・セルベーリが正捕手だったが、夏に放出。正捕手候補のジェイコブ・スタリングスは実質2年目と不安材料だ。
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▼記事参考
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https://www.mlb.com/news/every-major-league-team-biggest-2020-offseason-need