毎年のことだが、レギュラーシーズンが終わると最初にこういうニュースが飛び込んでくる。低迷した球団が監督やコーチ陣を刷新する球団人事だ。
昨日もア・リーグ西部地区で最下位のテキサス・レンジャーズのコーチ陣解任をお伝えしたが、ナ・リーグ西部地区のサンディエゴ・パドレスでも動きがあったようだ。
球団人事
現地時間10月6日(日本時間7日)、パドレスはジェイス・ティングラー監督を解任したことを発表した。同氏は3年契約の2年目だった。球団に残る可能性はあり、後任は未定だという。
以前から噂はあったが、NBCスポーツやMLB公式サイトによるとパドレスのA.J.プレラーGMは「ジェイスはパドレスの2シーズンで多くのことを成し遂げてくれた」とした。
2020年に新型コロナの前例のないパンデミックの中で、パドレスを2006年以来、14年ぶりとなるポストシーズンに導いたことはプレラーGMも評価した。
確かにティングラー氏は2年間で116勝106敗と、それほど悲惨な成績でもなかった。常勝軍団なら別だが、彼が引き継いだパドレスは、それまでの10年間で、ほとんどが4位か5位のBクラスだった。
ただ、パドレスは、オフに先発ローテーション投手を大補強。シーズン前にはメジャー屈指の先発ローテーションと評価され、実際に6月終了時点では、先発陣のチーム防御率もMLB30球団中でトップクラスだった。
それだけに、その崩壊ぶりが激しすぎ、特に後半戦は28勝43敗と大きく負け越した。
今季もメジャーではダイヤモンドバックスやオリオールズが110敗するなどパイレーツ、レンジャーズの4球団が100敗シーズン(勝率3割台)だった。
大谷翔平所属のエンゼルスも77勝85敗(勝率.475)とパドレスの79勝83敗(勝率.488)より悪い。
9月の連敗と内紛もマイナスイメージだった
パドレスは、それほど酷いとは言い難いが、昨年の躍進と先発投手の大補強による地区制覇の期待が大きかっただけに、79勝83敗の借金4では107勝のジャイアンツ、106勝のドジャースと比較するとギャップが大きく、その責任を取らされるハメになった。
9月にセントルイスで行われたカージナルス戦の試合中にマニー・マチャドとフェルナンド・タティスJr.がベンチ内で口論するなど、チームの内紛も明るみにでた。
9月に17連勝でストロングフィニッシュしたカージナルスを横目にパドレスは、終盤の9月以降に5連敗、5連敗と連敗が続いて最後は7連敗の9勝21敗と誰が見てもチームは崩壊していた。
プレラーGMも「数週間にわたって熟考を重ねた結果、サンディエゴの街に優勝をもたらすという究極の目標のためには、このタイミングでの変化が必要だと考えた」とコメント。「9月の苦戦を見たときに別の結論に達した」ともコメントしている。
ただ、ティングラーの手腕自体は評価しており、別の役職でチームに残る機会をオファーしたという。
あれだけ補強したのにもかかわらず...。結果に対する信賞必罰だろう。選手ならともかく監督業とは、そういうことかもしれない。
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