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【MLB移籍情報】Rソックスのマルティネスとベッツの去就に注目

 

19年オフの移籍市場は、レッドソックスのふたりの強打者J.D.マルティネスムーキー・ベッツの去就が注目されている。

 

MLB移籍情報

 

 

レッドソックスのジョン・ヘンリー筆頭オーナーは、来季のペイロールをラグジュアリー・タックス(ぜいたく税)のしきい値(額)である2億800万ドル未満にしたいという方針を打ち出した。

 

サム・ケネディ球団社長はそれを受けて来季のロスターを編成することになるが、「スモール・バジェット(低予算)」のレイズで手腕を振るったチェイム・ブルーム氏を編成部門のトップに招聘した。

 

19年のペイロールが約2億4000万ドルのレッドソックスが両選手を残すことは困難な状況だ。

 

【ぜいたく税基準額】

 

2017年 1億9500万ドル

2018年 1億9700万ドル

2019年 2億600万ドル

2020年 2億800万ドル

2021年 2億1000万ドル

 

 

 

レッドソックス主力選手2020年の年俸

 

デビット・プライス 3200万ドル

クリス・セール 3000万ドル

J.D.マルティネス 2375万ドル

ザンダー・ボガーツ 2000万ドル

ネイサン・イオバルディ 1700万ドル

ダスティン・ペドロイア 1312万5000ドル

ムーキー・ベッツ(年俸調停最終年、19年2005万ドル)

アンドリュー・ベニンテンディ (年俸調停1年目)

 

 

レッドソックスでFAになる選手

 

リック・ポーセロ FA(19年2112万5000ドル)

ミッチ・モアランド FA(19年650万ドル)

ティーブ・ピアース FA(19年625万ドル)

 

上の3人以外に5人がFAになり5人で約2000万ドルが軽減される。

 

 

マルティネスは18年2月に5年総額1億1000万ドルで契約、20年以降は6250万ドルの契約が残っているが、今季終了後にオプトアウトの権利を有しており、残りの契約をオプトアウトする可能性もある。

 

マルティネスは昨シーズンのリーグ打点王(130打点)に加えキャリアハイの打率(.330)などで前年の得点力不足の解消に貢献。

 

とくに、43本塁打本塁打不足の打線にインパクトをもたらした。昨年ほどではないが今季も打率.303、36本塁打、105打点、OPS.939で2年連続でオールスターにも選出された。32歳は脂の乗った年齢でオプトアウトを考えてもおかしくない。

 

ただ、守備力には疑問点が残り、ナ・リーグの球団からのオファーは厳しいかもしれない。契約最終年が35歳を越える複数年契約は敬遠される傾向にあるので32歳のマルティネスにとっては、最後のチャンスだろう。

 

地元紙「ボストングローブ」のピート・エイブラハムは、フィットする移籍先としてブルージェイズマリナーズ、レンジャーズ、ホワイトソックスの4チームを予想している。

 

マルティネスが契約を破棄(オプトアウト)すればベッツの残留及び複数年の契約延長が見えてくる。

 

 

ベッツの残留はどうなるのか?

 

マルティネスが残留を決めた場合、ベッツの周辺があわただしくなる。ここでも9月5日の記事で紹介したが、20年シーズン終了後にフリーエージェント(FA)になるベッツをレッドソックスが放出するかもしれないのだ。

 

 

 

 

レッドソックスはトレード交渉に応じる構えだというが、それは、複数の選手が絡む大型トレードに発展することが予想され、そう簡単には成立しないだろう。マルティネスの動き次第では20年夏のトレードデッドラインまでもつれ込むことも考えられる。

 

MLB Networkのジョン・ポール・モロシはベッツが契約延長交渉を以前に拒否したことを伝えている。ベッツは17年シーズン終了後にレッドソックスが提示した8年2億ドルという長期の契約延長オファーを拒否している。ベッツはFA市場で自分の価値を確かめたいというスタンスだ。

 

それは、トラウト、ハーパー、マチャドなどの巨額の契約で決定的になったのかもしれない。

 

ベッツの成績や27歳という年齢から考えても2億ドル程度の契約なら首を縦に振らなかったのは正解だった。

 

 

 

ペイロール圧縮とファーム層

 

レッドソックスはファーム層が薄い。ベースボール専門の米シンクタンク「ベースボール・プロスペクタス(BP)」やMLB公式サイトのプロスペクトランキング、さらに野球専門のデータサイト「ファングラフス(FG)」のランキングでも100位以内にマイケル・チャビス内野手がランクインしているだけだ。これでは次の内部育成ができない。

 

そのためファーム層の充実、若手有望株獲得のカードとしてベッツを切ることは考えられる。

 

ぜいたく税の回避はドジャースヤンキースジャイアンツ、タイガースが成功したようにレッドソックスもリセットしたい。

 

この追徴税のようなシステムは連続で超えると税率が年々アップしていくからだ。ちなみにヤンキースは15年連続で超過してトータルで3億4100万ドル(約350億円)を支払ってきたが昨年リセットに成功した。

 

マルティネスのオプトアウトとベッツの移籍はリンクしている。

 

レッドソックスは編成部門の最高責任者であるデーブ・ドンブロウスキー氏を解任した。チェイム・ブルーム氏は就任早々、大きな課題に直面することになる。

 

 

 

 

◇記事参考/関連記事

 

www.nbcsports.com

 

 

 

 

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