スタンドではハロウィンの甘いお菓子が配られたが、この男には厳しいブーイングが浴びせられた。
ワールドシリーズ第6戦。この試合で2回に打席に立ったアストロズの5番打者ユリエスキ・グリエルには、ロサンゼルスのドジャースファンからの痛烈なブーイングが待っていた。
ワールドシリーズ第3戦。グリエルが2回の打席でダルビッシュ有から先制ソロを放った後、ベンチ内で自身の両目尻を釣り上げる仕草をした行為やスペイン語で蔑称を発した行為に対するロサンゼルスのドジャースファンからのバッシングだった。
メジャーリーガーとして、このモラルの低い、品位に欠ける人種差別行為には、MLB裁定が下され、来季の開幕から5試合の出場停止処分になった。
グリエルが打席に入った場面で、ドジャース先発左腕リッチ・ヒルも、あえてボールを投げようとせず、プレートを外した。ブーイングの時間を作ったのだ。このマウンド上での態度に地元の番記者だけでなく全米のメディアも指示する論調が目立った。
普通ならボールをぶつけてもおかしくない場面だった。しかし、大ブーイングとベテラン左腕が作った「静かな抗議」は、品位あるメジャーリーガーとしてのプレートさばきのように感じた。大舞台を凄惨なものにしない素晴らしい態度だった。
スポーツサイト「the Score」や「USA TODAY」もこの話題を取り上げていた。
Rich Hill stepped off mound so crowd could boo Yuli Gurriel: 'That was my silent gesture.' https://t.co/u4pWjVcR24 pic.twitter.com/7QXrnQgZzw
— theScore (@theScore) 2017年11月1日
ドジャース対アストロズのワールドシリーズ第6戦は、ドジャース打線が剛腕ジャスティン・バーランダーを攻略し、3対1の逆転勝利で最終第7戦までもつれ込む展開になった。
第7戦は、ドジャースの日本人投手ダルビッシュ有が先発登板する。