MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

【NLDS】カーショー気迫の7球、マーフィーを打ち取ってCS進出決める

 

ドジャースが13日(日本時間14日)、敵地で行われたナショナルズとのナ・リーグ地区シリーズ(NLDS)GAME5で勝利し、2013年以来、11度目となるリーグ優勝決定シリーズ(NLDS)進出を決めた。

 

 

MLB2016 NLDS

 

 

試合時間4時間32分。7回の攻防だけで1時間6分を要した死闘だった。ゲームの流れは、スポーツ紙でも見て欲しいが、劇的だったドラマの最後のシーンを切り取ってみたい。

 

サイ・ヤング賞を3回したドジャースの大エース、クレイトン・カーショーには、ポストシーズンで勝てないというジンクスがあった。

 

 

数字が好きな方のためにもう少し紹介すると奪三振率は、2015年には自己最高の11.6を記録。被安打が少なく、2015年シーズン終了時までの9イニングあたりの被安打は6.62。これは、同時点で大リーグ歴代でノーラン・ライアンの6.56に次いで史上2位(通算投球回数1000イニング以上)。

 

カーショー

 

 

MLBの現時点で最高のサウスポーが、ポストシーズンは、15試合で3勝6敗、防御率4.83だった。

 

そんな男を指揮官は、あと2つのアウトを取るためにマウンドにあげた。クローザーのケンリー・ジャンセンを勝ち越した7回から投げさせていたからだ。

 

ジャンセンが51球を投げる姿を見て、大エースも最終戦の幕引きに自分が投げることを確信したような雰囲気だった。

 

中3日のあと中1日で最終回のマウンド。最初のバッターは昨年のポストシーズンから大ブレイクのダニエル・マーフィー。

 

彼は、昨年のNLDSの第1戦で、カーショーから本塁打を放ち。これで勢いづいたのか、第4戦でもカーショーから、最終の第5戦では、これまた名投手のザック・グリンキーから本塁打を放ち、NLCS初戦ではジョン・レスターから貴重な花火を打ち上げた。

 

このシリーズも14打数7安打と打ちまくっている。そんな相手との対戦は鳥肌が立つようなシーンだった。

 

 

その初球。93マイルのフォーシームが高めにはずれてボール。制球のいいカーショーも09年10月21日以来のリリーフは難しいとも感じたし、真ん中に入ってきたコースも危ないと感じた。

 

1死一、二塁のランナー。一打で同点、長打ならサヨナラのシーン。

 

そして、2球目。同じコースに93マイルのフォーシーム。これをマーフィーが打ちにいってセカンドのポップフライ。これまで対戦打率.333の苦手をつまらせた感じのインフィールドフライだった。

 

続く代打ディフォは、2年目の若手、もうベンチに選手はいなかった。これまで何回も見たシーンだが、最後のバッターは空振り三振だった。

 

気迫のこもった7球で、シャーザーはこのシリーズ、2勝1セーブの活躍だった。シーズン中、約2カ月離脱したチームから信頼を取り戻す7球だった。

 

おそらくだが、リグレーフィールドでのシカゴ・カブスとのチャンピオンシップGAME1は、前田が先発する。こっちも楽しみだ。