CBSスポーツなど複数の米国メディアによるとメジャーリーグのボルティモア・オリオールズは、地元ボルティモアで起きている暴動の影響から安全が確保されないため、現地29日のホワイトソックス戦をメジャーでは史上初の「無観客試合」として行うと発表しました。
メリーランド州ボルティモアでは、黒人男性が、白人の警察官から受けた暴行が元で死亡した事件を受けて、大規模なデモが起きたました。
これをきっかけに一部の住民が暴徒化して、ドラッグストアを襲ったりパトカーを燃やすなどの暴動が発生しました。
夜間外出禁止などの「非常事態宣言」が発令される中、すでに現地27日と28日のオリオールズのホームゲームは中止になり、週末の5月1日から3日まで予定されていたタンパベイ・レイズとの3連戦は、ボルティモアのカムデンヤードからタンパのトロピカーナフィールドでの主催ゲームに変えられました。
Orioles 8-2 win over White Sox #BirdlandPride pic.twitter.com/0deBXEL4nD
— Baltimore Orioles (@Orioles) 2015, 4月 29
オリオールズのバック・ショーウォルター監督は、「街と人々の安全が確保されること第一。ホームゲームを失うことを好む人間など誰もいないが、それよりもっと重要なことがある。あらゆるシナリオを考えた上で我々は決断した」と語っていますが、当然のことでしょう。
またボルティモアでは、メジャーだけでなく、他のプロスポーツの様々なイベントも中止になっています。かつてオリオールズに所属していた関係でボルティモアに自宅のあるレッドソックスの上原浩治は、ブログに「何かデモとは違うことをしてるやんって思ってしまう。家族が無事であることを願うしかない…」と心配しています。
無観客試合は、マイナーリーグではあったが、メジャーの公式試合ではないらしい。記録上は、1982年9月28日に行われた観客数「6人」のナショナルリーグのゲームが最低観客動員記録。
マイナーリーグでは、デイモン市の洪水の影響で2008年6月にナッシュビルで無観客試合が行われた例があるということですが、メジャーでは例がない。
《追記》
この試合は、8対2でオリオールズがホワイトソックスに勝利しました。