MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

【MLB移籍情報】アストロズがマンシーニとバスケス捕手を獲得

 

例年7月31日に設定されているトレード・デッドラインだが、今季は開幕が遅れたこともあり多少ずれて、米東部時間8月2日の午後6時(日本時間3日午前7時)に設定されている。

 

 

フラッグディール・トレード情報

 

 

大谷翔平のトレードがないことは複数の米メディアが伝えているが、トレードデッドラインが近づく中、10月(ポストシーズン)を戦う球団は、場合によっては複数のピースを追加するなどブルペンや足りない戦力をアップグレードする必要がある。

 

逆にポストシーズンの可能性がなくなった球団は、来季以降を見据えた編成に切り替える。

 

考えようによっては「フラッグディール・トレード」の時期に取り残されて、トレードのオファーも来ない球団も補強もしない球団もある意味では悲しい。来季も期待薄だ。

 

アストロズの補強状況

 

オリオールズからマンシーニを獲得

 

メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、アストロズオリオールズ、レイズとの3球団が絡むトレードでオリオールズ一塁手指名打者であるトレイ・マンシーニを獲得した。

 

 

 

 

マンシーニは今季、92試合に出場して打率.268、本塁打10、打点41、OPS.751。

 

結腸がんの闘病生活で2020年シーズンを全休し、2021年は21本塁打を放ってカムバック賞を受賞した選手。

 

マンシーニの加入でアストロズ打線には計算できる右打者が加わり、守備でも一塁手指名打者として使える。

 

38歳のグリエルを一塁から指名打者にして休ませることも可能になり、マイケル・ブラントリー外野手が肩の故障で無期限に欠場している左翼でも起用できる。

 

一塁、指名打者、外野手としての経験がスケジュールの過密なポストシーズンでは生きてくるかもしれない。

 

アストロズはこういうところが抜け目ない。FAで大金を使った挙句、不良債権化して損切りしているどこかの球団(ヒントは同地区)と大違いだwww。

 

また、レイズはアストロズから27歳のホセ・シリ外野手を獲得している。彼は昨年21試合の出場ながら打率.304、OPS.956をマーク。

 

レイズでは60日間の負傷者リスト入りしているケビン・キアの代わりとしてセンターで起用するようだ。

 

レッドソックスの正捕手も獲得

 

さらに、レッドソックスからクリスチャン・バスケス捕手も獲得。このトレードでは、マイナーの有望株2名を差し出した。

 

補強ポイントを巧みに埋めてくるアストロズらしいフラッグディール・トレードだと感じる。

 

三角トレードは複雑なのでポイントを絞って紹介したいが、アストロズマンシーニが絡むトレードでレイズからジェイデン・マレーという25歳のマイナー右腕を獲得している。

 

30歳のマンシーニに関しては来季の契約が相互オプションのため今季終了後にオリオールズを去ってフリーエージェント(FA)になる可能性があったため、球団側からすればこのタイミングが「売り時」だった。

 

一方、バスケスに関してはコントレラスの争奪戦では交換条件が高すぎて敗れたが「プランB」でお手頃な捕手を追加したように感じる。そこそこ打てる捕手は、貴重な戦力だ。

 

プエルトリコ出身のバスケスは31歳。メジャー8年目で、今季は84試合に出場して打率.282、本塁打8、打点42、OPS.759。

 

今季限りで4年契約が終了しFAになる。アストロズのシステムに適応すれば36歳のマルドナードの後釜として契約を延長してもいいだろう。

 

打てないが戦術の要ともいえるベテラン捕手マーティン・マルドナード(打率.173)と併用するにはちょうどいい。

 

若手24歳のコリー・リー(打率.160)では再建期のチームなら別だが、覇権を狙うアストロズでは経験不足で時期尚早だろう。

 

 

 

 

 

MLB2022 フラッグディール・トレードで市場に残っている注目選手

 

メジャーリーグ公式サイトがリストアップしたMLB2022年のフラッグディール・トレードで市場に残る注目選手たちを紹介したい。

 

 

フラッグディール・トレード情報

 



2022年夏の最大の注目選手は、ウィルソン・コントレラス捕手カブス)やフアン・ソト外野手ナショナルズ)で変わりはないが、ソトに関してはFOXスポーツがカージナルスドジャースパドレスの3チームに絞られたような発信をしている。
 

 

 

 

そして、 ここに来てレッドソックスジャイアンツの動向が怪しくなってきたという情報もあり、この両チームが「売り手」に回ると投手ではネイサン・イバルディレッドソックス)、カルロス・ロドンジャイアンツ)などの先発投手。
 
野手ではJ.D.マルティネスレッドソックス)やジョク・ピーダーソンジャイアンツ)らが市場に出てトレード移籍する可能性が考えられる。


 

▼先発投手

 ネイサン・イバルディ(レッドソックス

 パブロ・ロペス(マーリンズ

 タイラー・マーリー(レッズ) 

フランキー・モンタス(アスレチックス) 

大谷翔平エンゼルス) 

マーティン・ペレス(レンジャーズ) 

ホセ・キンタナ(パイレーツ) 

カルロス・ロドン(ジャイアンツ) 

ノア・シンダガード(エンゼルス

 

▼救援投手

 

デービッド・ベッドナー(パイレーツ)

アンドリュー・チェイフィン(タイガース) 

マイケル・フルマー(タイガース) 

ホルヘ・ロペスオリオールズ) 

デービッド・ロバートソン(カブス

 

 

▼捕手

 

ウィルソン・コントレラス(カブス

クリスチャン・バスケスレッドソックス
 
 


 ▼内野手
 

ジョシュ・ベル(ナショナルズ

ブランドン・ドルーリー(レッズ)

トレイ・マンシーニオリオールズ

ウィット・メリフィールド(ロイヤルズ) 

 

 

▼外野手 

 

ジョーイ・ギャロ(ヤンキース) 

イアン・ハップ(カブス) 

ラモン・ローレアーノ(アスレチックス) 

ジョク・ピーダーソン(ジャイアンツ) 

ライアン・レイノルズ(パイレーツ) 

フアン・ソト(ナショナルズ) 

マイケル・A・テイラー(ロイヤルズ)

 

 

指名打者

 

ネルソン・クルーズ(ナショナルズ) 

J.D.マルティネス(レッドソックス

 

 

ほかには、ニューヨーク・ポストの記者ジョン・ヘイマンによると、ミルウォーキー・ブリュワーズは、クローザーのジョシュ・ヘイダーとのトレードに関心のあるームから電話を受けているという。

 

へイマンは、ジョシュ・ヘイダーが実際にトレード市場に出る「兆候はない」と付け加えたが、ブリュワーズはオファーに「喜んで耳を傾けているようだ」。

 

中部地区で2位のカージナルスに3ゲーム差をつけて首位を走るブリュワーズが、「リリーバー・オブ・ザ・イヤー」を3度受賞したヘイダーをこのタイミングで出すことは考えられないが、ヘイダーが7月に防御率12.54と調子を崩しているいるのも事実。

 

ヘイダーは2023年シ-ズン終了後にFAになる。だから、価値が下がる前にトレードで対価を得るという考えもある。来年の夏のトレードには名前がリストアップされるかもしれない。

 

 


▽記事参考/引用

 

www.mlb.com

 

 

 

 

フラッグディール・トレードはGMの腕の見せ所

 

トレードデッドラインが近づく中、10月(ポストシーズン)を戦う球団は、場合によっては複数のピースを追加するなどブルペンや足りない戦力をアップグレードする必要がある。

 

メジャーリーグ独特の制度だが、例年7月末がトレード期限で、今季は開幕が遅れたこともあり多少ずれて、米東部時間8月2日の午後6時(日本時間3日午前7時)に設定されている。

 

 

フラッグディール・トレード情報

 

 

このブログを見ていただいてるコアなメジャーリーグファンの方々には、あえて説明する必要もないが、この期限を過ぎるとせっかくレンタル移籍で獲得した選手でもポストシーズンで出場できなくなるので、このトレード期限前にポストシーズンに進出できそうな球団を中心に選手のトレード移籍が成立するわけだ。

 

逆に地区優勝どころかワイルドカード枠でも残れない球団は、今季終了後に契約の切れる選手などを中心にトレードで主力を放出してプロスペクトといわれる若手有望株を獲得して将来のためにファーム層を充実させる。

 

彼らは今後のトレードの交換要員にもなるし、成長すればチームの中心選手になってくれるからだ。

 

チーム編成は主に各球団のゼネラルマネージャー(GM)たちが担うことになるが、ファーム層を強化しない中途半端な球団(GMも含む)は結果にコミットしたことにならない。

 

 

タンパベイ・レイズはスモール・バジェット(低予算)ゆえにファーム層を充実させてFA市場で大金を使えない分、トレード戦略で結果を出している球団だ。

 

そのフロントの能力に目を付けたレッドソックスは、2019年10月にレイズの編成部門ナンバー2だったチャイム・ブルーム氏を新たな編成責任者として招へいした。

 

GMの能力の差が球団の浮沈を大きく左右することになるが、チームを強化するカギを握るのは監督ではなくGMだ。10年もたてば結果は歴然とする。

 

フリードマン氏の功績が大きいドジャース

 

ドジャースのアンドリュー・フリードマン球団社長も2014年10月にレイズからドジャースヘッドハンティングされてドジャースをよみがえらせた。

 

フリードマン氏は2005年に28歳の若さでタンパベイ・デビルレイズ(2012年よりレイズ)のGMに就任すると1998年の設立以来リーグのお荷物だったチームを2008年にリーグ優勝、ワールドシリーズまで導いた男だ。

 

エール大学出身で、元々はウォール街投資銀行ベアー・スターンズサブプライム問題で2008年破綻)などで働いたエリート金融マンだ。デビルレイズ買収案件で現オーナーの知己を得てGMに転身したという。

 

GM3年目の2008年にチームを初のワールドシリーズに導き、2014年まで地区優勝2回、ポストシーズン進出4回と、ヤンキースレッドソックスなど名門球団が多い東部地区で低予算のレイズを強豪チームへと変貌させていた。

 

GM就任後は限られた予算の中で戦力を整え2008、2010、2011、2013年と毎年のようにチームはポストシーズンに進出した。そうしてフリードマンは若手有望選手のリクルートにおいては球界きっての目利きという評判を取るようになった。

 

そのフリードマンに目を付けたのがドジャースだ。2014年10月、ドジャースは事実上のGMに相当する「ベースボール部門上級副社長」のポストを新設すると、ここにフリードマンを迎え入れた。

 

ちなみに、この時のドジャースフリードマン氏に対し5年総額3500万ドルというフロントの人材としては破格の契約をオファーしたという。

 

しかし、その後のドジャースの躍進ぶりをみると、フリードマンは球団の期待を遙かに上回る成果をドジャースにもたらした。

 

ドジャースは2013年から2020年まで8年連続で地区制覇。2020年には短縮シーズンながら32年ぶりのワールドシリーズ優勝を果たす。

 

この10年間で王朝を築き上げた。東海岸の名門球団に対する西海岸の盟主の地位を得た。

 

エンゼルスはどうだったのか?


同じロサンゼルスをフランチャイズにするエンゼルスドジャースを比べてみると面白い。

 

エンゼルスは2003年にヒスパニック系の実業家であるアルトゥーロ・モレノ氏がオーナーに就任。2009年、エンゼルスア・リーグ西部地区で3連覇を達成して強豪というイメージがあった。

 

それから13年が経過しエンゼルスの現在地を振り返ると、マイク・トラウト、大谷翔平という二人のMVP選手がいるにもかかわらず、毎年早々とペナント争いからは脱落して下位に低迷している。

 

オーナーが変わって20年、昨年はペリー・ミナシアンを新GMに迎えた。モレノ・オーナーのイエスマンだったビリー・エプラー前GMよりは期待できそうだが、モレノ氏は、選手補強に関しては再三口を出してくるらしい。

 

GMにチーム編成の全権を与えるつもりもなく自分の気に入った選手を獲得している。

 

ここでも投稿したが、エプラーがGMだった頃は、大艦巨砲主義のようにプホルスやアップトンという高額の不良債権を抱えて戦力強化は思うように進まず、マイナーに有望な若手もいない。

 

相変わらずオーナー好みのFA選手と長期契約を繰り返していた。今季も絶望のアンソニー・レンドン内野手との長期契約もオーナー案件だったらしい。

 

ここでも何度か指摘したが、投手陣を整備することもなく、毎年、中古車センターのようなベテラン投手を獲得していた。案の定、結果も出ることなく、夏のトレードも中途半端だった。

 

ミナシアンGM投手力を強化したが、結果は出ていない。それどころか、マドン監督も解雇した。

 

ドジャースフリードマン社長がレイズのGMに就任した時に雇ったのがジョー・マドン監督だった。

 

オーナーの意向が強すぎてGMも思うように補強できなかったのかもしれない。そんな球団がエンゼルスだ。GM以上にオーナーに問題がありそうだ。

 

個人的にはエンゼルスのファンではない、もともとダルビッシュがいたレンジャーズや日本人スタッフなども多いパドレスのほうが気になるし、上原、田澤がいた頃のレッドソックスは好きだった。

 

エンゼルスを応援するとフラストレーションがたまるので、大谷翔平だけを見ていきたい。

 

 

▼記事参考

 

考察:なぜドジャースとエンゼルスは10年でこれほど差が付いたのか(1) | 2022年版 ロサンゼルス・エンゼルス大全