例年7月31日に設定されているトレード・デッドラインだが、今季は開幕が遅れたこともあり多少ずれて、米東部時間8月2日の午後6時(日本時間3日午前7時)に設定されている。
フラッグディール・トレード情報
大谷翔平のトレードがないことは複数の米メディアが伝えているが、トレードデッドラインが近づく中、10月(ポストシーズン)を戦う球団は、場合によっては複数のピースを追加するなどブルペンや足りない戦力をアップグレードする必要がある。
逆にポストシーズンの可能性がなくなった球団は、来季以降を見据えた編成に切り替える。
考えようによっては「フラッグディール・トレード」の時期に取り残されて、トレードのオファーも来ない球団も補強もしない球団もある意味では悲しい。来季も期待薄だ。
アストロズの補強状況
オリオールズからマンシーニを獲得
メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者が関係者から得た情報によると、アストロズはオリオールズ、レイズとの3球団が絡むトレードでオリオールズの一塁手兼指名打者であるトレイ・マンシーニを獲得した。
Welcome to Houston, @TreyMancini! 🤘 pic.twitter.com/aEJYvgtZX3
— Houston Astros (@astros) August 1, 2022
マンシーニは今季、92試合に出場して打率.268、本塁打10、打点41、OPS.751。
結腸がんの闘病生活で2020年シーズンを全休し、2021年は21本塁打を放ってカムバック賞を受賞した選手。
マンシーニの加入でアストロズ打線には計算できる右打者が加わり、守備でも一塁手や指名打者として使える。
38歳のグリエルを一塁から指名打者にして休ませることも可能になり、マイケル・ブラントリー外野手が肩の故障で無期限に欠場している左翼でも起用できる。
一塁、指名打者、外野手としての経験がスケジュールの過密なポストシーズンでは生きてくるかもしれない。
アストロズはこういうところが抜け目ない。FAで大金を使った挙句、不良債権化して損切りしているどこかの球団(ヒントは同地区)と大違いだwww。
また、レイズはアストロズから27歳のホセ・シリ外野手を獲得している。彼は昨年21試合の出場ながら打率.304、OPS.956をマーク。
レイズでは60日間の負傷者リスト入りしているケビン・キアの代わりとしてセンターで起用するようだ。
レッドソックスの正捕手も獲得
さらに、レッドソックスからクリスチャン・バスケス捕手も獲得。このトレードでは、マイナーの有望株2名を差し出した。
補強ポイントを巧みに埋めてくるアストロズらしいフラッグディール・トレードだと感じる。
三角トレードは複雑なのでポイントを絞って紹介したいが、アストロズはマンシーニが絡むトレードでレイズからジェイデン・マレーという25歳のマイナー右腕を獲得している。
30歳のマンシーニに関しては来季の契約が相互オプションのため今季終了後にオリオールズを去ってフリーエージェント(FA)になる可能性があったため、球団側からすればこのタイミングが「売り時」だった。
一方、バスケスに関してはコントレラスの争奪戦では交換条件が高すぎて敗れたが「プランB」でお手頃な捕手を追加したように感じる。そこそこ打てる捕手は、貴重な戦力だ。
プエルトリコ出身のバスケスは31歳。メジャー8年目で、今季は84試合に出場して打率.282、本塁打8、打点42、OPS.759。
今季限りで4年契約が終了しFAになる。アストロズのシステムに適応すれば36歳のマルドナードの後釜として契約を延長してもいいだろう。
打てないが戦術の要ともいえるベテラン捕手マーティン・マルドナード(打率.173)と併用するにはちょうどいい。
若手24歳のコリー・リー(打率.160)では再建期のチームなら別だが、覇権を狙うアストロズでは経験不足で時期尚早だろう。