現地7月9日にホワイトソックスからDFAになっていたアダム・イートン外野手がフリーエージェント(FA)になった。
トレード期限前の移籍情報
ホワイトソックスの勝率.607は前半戦のア・リーグトップで、地区2位のインディアンスにも8ゲームの大差をつけ早くも独走態勢だが、7月末のトレード期限に向かって動きがありそうだ。
ホワイトソックスは若手の正二塁手ニック・マドリガルがハムストリングを負傷して手術。6月10日付で60日間の負傷者リスト(IL)に登録された。
チームには、1番打者で14盗塁をマークしている俊足好打のティム・アンダーソンというオールスター級の正遊撃手がいるが、今季終了後にフリーエージェント(FA)になるストーリーを獲得して二塁手として起用する案を考えているのかもしれない。
現在は、メジャー9年目のレウリー・ガルシアが正二塁手として出場しているが、ここまで69試合の出場で打率.263、本塁打3、OPS.698とやや物足りない数字だ。
ここに11本塁打、OPS.795のストーリーが入れば得点力アップが期待出来る。
しかし、注目は外野陣。エロイ・ヒメネスとルイス・ロバートという二人の若手外野手の復帰が遅れていることだろう。
ヒメネスは開幕前に外野の守備で大胸筋を断裂。復帰が近いという情報もあるが、復帰できたとしても、すぐに元のように活躍できるとは限らない。
ロバートは5月に右股関節屈筋を断裂。復帰まで12~16週間という診断で、今季は絶望的。60日間のILに入った。
現在はアダム・エンゲルが中堅に入って好調だが、ホワイトソックスの外野手は左からアンドリュー・ボーン左翼手(10本塁打)、エンゲル(5本塁打)、ブライアン・グッドウィン右翼手(4本塁打)。この3人足しても前半戦で19本塁打しか記録していない。
破壊力という点では、物足りないものを感じる。10月の短期決戦では、一発の破壊力が勝敗を決めることが往々にしてあるものだ。
注目は外野手の補強?
長打力のある外野手として、考えられるのはカブスのジョク・ピダーソン(打率.230、本塁打11)、レンジャーズのジョーイ・ギャロ(打率.239、本塁打24)、マリナーズのミッチ・ハニガー(打率.257、本塁打20)などが考えられるが、マリナーズが「売り手」になるかは微妙な位置にいる。
エンゼルスのジャスティン・アップトンも今季終了後にFAになるが、エンゼルスもマリナーズ同様に、僅かながらプレーオフへの希望が残っており、「売り手」になるかは疑問だ。
正捕手グランダルも負傷して野戦病院のようになってきた
正捕手のヤズマニ・グランダルが現地5日のツインズ戦で膝を負傷。復帰のタイムスケジュールは4週間~6週間。
このポジションには、ヤーミン・メルセデスという若手が活躍していたが、6月は不調でマイナーに降格している。
ザック・コリンズやセビー・ザバラがグランダルの穴埋めだが、メジャーでの実績がほとんどない捕手たちだ。
この数年、大型補強が目立つホワイトソックスだが、2021年は、かつてカージナルスを率いたトニー・ラルーサ氏が76歳にして監督に復帰。
2008年以来、13年ぶりの地区制覇のために、この夏も足りない戦力の補強に動くことは十分に考えられる。