夏のトレード期限まで6週間。まだ「売り手」と「買い手」球団は確定していないが、そろそろ自軍の位置(順位)を見ながらポストシーズンに向けての足りない戦力を補強、それとも今季は諦めて主力を放出して有力な若手をトレードで獲得していくのか、ゼネラルマネージャー以上の球団幹部の腕の見せ所だ。
トレード期限前の移籍情報
ということで、時期尚早かもしれないが6月18日時点での順位を考慮して「売り手」になった場合の注目選手を紹介したい。
■ツインズのネルソン・クルーズの移籍先は?
ツインズの調子が上がらない。地区最下位に沈んでいる。
シーズン前は近年積極補強のホワイトソックスや先発ローテに以前ほどの安定感が感じられないインディアンスを抑えてポストシーズンへの進出オッズが65.5%で地区トップだった。(下の写真参照)
ところがフタを開けてみると連敗が多く4月5月は21勝31敗で借金10。6月も6勝10敗で勝率.397まで落ち込んだ。首位のホワイトソックスとは15ゲーム差という厳しい立ち位置。
この先、サプライズな連勝や同地区ライバルの失速、潰し合いなど、余程のことがない限りトレードで主力選手の放出に動く可能性が高い。
そんなツインズの注目選手は野手ではネルソン・クルーズ。
投手ではマイケル・ピネダ、J.A.ハップ、アレックス・コロメイ、ハンセル・ロブレス、マット・シューメイカー。
それぞれ今季終了後にフリーエージェント(FA)になる選手たちだが、クルーズはここまで14本塁打と41歳になる今季も衰えを知らない。DH制のあるア・リーグの球団で破壊力が欲しいチームには魅力的かもしれない。アスレチックスが有力との噂もある。
シューメイカーとハップはここまで防御率が5点台以上で改善しなければ売り物にならない。
■マイケル・ピネダが負傷者リスト入り
先発陣ではマイケル・ピネダが好調だったが6月14日に負傷者リスト入り。ピネダは2017年にトミー・ジョン手術を受け、その年のオフにヤンキースからノンテンダーFAになったが、2019年にツインズで26試合11勝5敗と完全復活。今季は防御率3.40、WHIP1.070でヤンキース時代より制球が良くなった。
先発ローテに右腕を加えて8月9月の正念場を乗り切りたいチームからそれなりの対価でオファーがあるかもしれないが、故障が気になる。
■ブルペン陣ではコロメイ、ロブレス
アレックス・コロメイ、ハンセル・ロブレス、テイラー・ロジャースも狙ってくる球団があるかもしれない。ポストシーズンでのブルペン投手の需要度は確実にアップしているからだ。
コロメイは、ここまで26試合で防御率5.63と悪いが、メジャー通算141セーブの実績があり、ロブレスは防御率3.03と好調。共にトレードの交換要員になる可能性がある。
■エンゼルスが「売り手」になればアップトンあたりも注目
今後の推移を見てみないと判断は難しいが、他のチームでは、エンゼルスが「売り手」になるとするとジャスティン・アップトンあたりも今季が契約最終年。今オフにFAになる予定で、すでに14本塁打をマークしており、右の大砲や代打、主力外野手を休めるための控えを必要とする球団には良いかもしれない。
具体的な「買い手」球団は頭の中にあるが、まだまだ時間があるので、このあとの推移を注意して見ていきたい。