夏のトレード期限まで5週間。まだ「売り手」と「買い手」球団を確定できる時期ではないが、そろそろ各球団とも自軍の位置(順位)を見ながらポストシーズンに向けての足りない戦力を補強、それとも今季は諦めて主力を放出して有力な若手を獲得していくのか、判断の迫られる時近づいてきた。ゼネラルマネージャー(GM)以上の腕の見せ所だ。
トレード期限前の移籍予想
ということで、時期尚早かもしれないが日本時間6月25日時点での順位を考慮して各球団の注目選手、またはニーズをみていきたい。
まずは、いくつかの球団のペイロールを紹介する。数球団が「ぜいたく税」の限界に達しつつある、ご存じの方も多いと思うが、これはNFLのようにサラリーキャップのないMLBで30球団の戦力均衡が目的で設定されている課税制度。補強の際にはこの「しきい値」が足かせになることもある。
MLBは2003年にこの制度を導入。ヤンキースなどは15年連続で税金を納め続けていた。ドジャースも5~6年続けて課税されている。
①ドジャース:$262.1million(2億6210万ドル)
②ヤンキース: $207.6 million(2億760万ドル)
③アストロズ: $207.0 million(2億700万ドル)
④パドレス: $205.6 million(2億560万ドル)
⑤レッドソックス: $205.5 million(2億550万ドル)
⑥フィリーズ: $202.5 million(2億250万ドル)
※上限は$210.0million(2億1000万ドル)
▼参考
Cot's Baseball Contracts
各球団の注目選手をピックアップするとしたら?
第2弾は、アメリカンリーグ中部地区。
ホワイトソックス
若手の正二塁手ニック・マドリガルがハムストリングを負傷して手術。2021年シーズンの残りを公式に欠場する予定で60日間の負傷者リストに登録された。
パイレーツのアダム・フレイジャーがターゲットになるが、ロッキーズのトレバー・ストーリーを獲得して二塁で起用する案はどうだろう?
インディアンス
ホワイトソックスを追いかける2.5ゲーム差の2位。打撃力は弱く、強力な投手力でカバーしてきたが、ザック・プリーサックとシェーン・ビーバーの負傷によりローテーションの穴埋めが必要。
レンジャーズのカイル・ギブソンが候補。ギブソンは今季900万ドル、22年700万ドルでインディアンスでも負担できる金額だが、インディアンスには交換要員になるプロスペクトが充実している。
ツインズ
ツインズの注目選手は野手ではネルソン・クルーズ、アンドレルトン・シモンズ。ただし、クルーズはDH専門のためア・リーグの球団に限定される。
投手ではマイケル・ピネダ、J.A.ハップ、アレックス・コロメイ、ハンセル・ロブレス、マット・シューメイカーが今季終了後にFAになるが、前半の個人成績にもよるので、それでいくとハンセル・ロブレスぐらいだろう。
それよりもセットアッパーの左腕テイラー・ロジャース(防御率2.67)が好調をキープ。ロブレスもロジャースもブルペンを強化したい球団からトレードのオファーがあるかもしれない。
タイガース
ジョナサン・スクープが打率.286、本塁打15、OPS.830と好調。内野手で打てる一塁や二塁手を探している球団からオファーがあるかもしれない。レッドソックス、ブルワーズなどが候補。
ロイヤルズ
4月は好発進して地区首位で折り返したが、ここにきて予想通りの位置に落ち着いて来た。カルロス・サンタナの名前が挙がっている。一塁手を補強したいレッドソックスあたりが候補だ。