スケジュールの3分の一を消化した各球団だが、ここからの2ヵ月は自軍の位置(順位)を見ながらポストシーズンに向けての足りない戦力を補強するのか、それとも今季は諦めて中期的な視野に立って改革していくのか、判断が迫られてゼネラルマネージャー以上の球団幹部の腕の見せ所だ。
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7月になれば「売り手」に回る球団と「買い手」が鮮明化するので、オールスターブレイク前後に水面下の動きが活発し、表面化してくるものだが、難しいのは6月だろう。
ということで、時期尚早かもしれないが6月5日時点での順位を考慮して「売り手」になった場合の注目選手をピックアップした。
地区最下位に沈むミネソタ・ツインズで注目の選手は?
地区連覇中のツインズだが、今日もロイヤルズに負けて3連敗、シーズン前は近年積極補強のホワイトソックスや先発ローテに以前ほどの安定感が感じられないインディアンスを抑えてポストシーズンへの進出オッズでは65.5%で地区トップだった。(下の写真参照)
ところがフタを開けてみると連敗が多く4月5月は21勝31敗で借金10。6月も3連敗中で勝率.400。首位のホワイトソックスとは12ゲーム差、ワイルドカードへも9ゲーム差という厳しい立ち位置。
サプライズな連勝や同地区ライバルの失速、潰し合いなど、余程のことがない限りトレードで主力選手の放出に動く可能性が高い。
そんなツインズの注目選手は野手ではアンドレルトン・シモンズ、ネルソン・クルーズ。
投手ではマイケル・ピネダ、J.A.ハップ、アレックス・コロメイ、ハンセル・ロブレス、マット・シューメイカー。
それぞれ今季終了後にフリーエージェント(FA)になる選手たちだが、クルーズはここまで10本塁打、OPS.849と41歳になる今季も衰えを知らない。DH制のあるア・リーグの球団で破壊力が欲しいチームには魅力的かもしれない。
シューメイカーとハップはここまで防御率が5点台で6月に改善しなければ売り物にならない。
先発右腕マイケル・ピネダが好調
先発陣ではマイケル・ピネダが好調。ピネダは2017年にトミー・ジョン手術を受け、その年のオフにヤンキースからノンテンダーFAになったが、2019年にツインズで26試合11勝5敗と完全復活。今季は防御率3.40、WHIP1.070でヤンキース時代より制球が良くなった。
先発ローテに右腕を加えて8月9月の正念場を乗り切りたいチームからそれなりの対価でオファーがあるかもしれない。
ブルペン陣ではコロメイ、ロブレス
アレックス・コロメイ、ハンセル・ロブレスも狙ってくる球団があるかもしれない。ポストシーズンでのブルペン投手の需要度は確実にアップしているからだ。
コロメイは、ここまで22試合で防御率5.31と悪いが、メジャー通算141セーブの実績があり、ロブレスと共にトレードの交換要員になる可能性がある。
エンゼルスが「売り手」になればアップトンあたりも注目
今後の推移を見てみないと判断は難しいが、他のチームでは、エンゼルスが「売り手」になるとするとジャスティン・アップトンあたりも今季が契約最終年。今オフにFAになる予定で、すでに11本塁打をマークしており、右の大砲や代打、主力外野手を休めるための控えを必要とする球団には良いかもしれない。
具体的な「買い手」球団は頭の中にあるが、今後も6月の各球団の推移を見ていきたい。