MLB公式サイトによる最新のロースター予想
MLB公式サイトが「Opening Day roster predictions, version 2.0」というタイトルで今季開幕ロースター予想記事を更新している。
このブログでも時期早々かもしれないが、個人的に気になる球団の開幕メンバーを紹介してきた。
今回は澤村拓一が移籍した東部の名門ボストン・レッドソックスの第2弾。レッドソックス番記者の予想をもとに紹介していきたい。
その栄光の球団史に澤村の名前を刻めるか?
レッドソックスは歴史ある球団だけに話題には事欠かない。前回も紹介したが2000年以降の話題に絞って紹介すると2002年にセオ・エプスタインが史上最年少となる28歳でGMに就任。
2004年にはポストシーズン8連勝。球団史上初のワールドシリーズ4連勝でカージナルスを退けて86年ぶりに制覇。「バンビーノの呪い」が解けた年だった。
日本人選手も2001年には野茂英雄が在籍しノーヒットノーランを達成。2007年シーズン前にはポスティング制度で松坂大輔を獲得した。そして岡島秀樹がリリーバーとして活躍して3年ぶりにワールドシリーズを制覇。
「Boston Strong」で燃えたナイン
レッドソックスで日本人リリーバーが活躍した時は強いイメージがある。
このブログでも過去に何度か紹介したが、レッドソックスの2013年は春からボストンマラソン爆弾テロ事件で騒然となった。
ボストンマラソンといえば日本でも人気のマラソンの世界的な大会だが、そのゴール付近で2度爆発が発生、その際に3人が死亡、282人が負傷したと報じられた。
ボストンというアメリカでも古い歴史ある地域の春を寿ぐイベントで起きた惨事。アメリカでは「9.11」の記憶もあったので騒然となった。この日は「パトリオット(愛国者)の日」だった。例年、本拠地フェンウェイパークの横をランナーが走るので、その時間に合わせて午前中に試合が始まる特別な日だ。
上原浩治、田澤純一が輝いた2013年
その年は「Boston Strong」を合言葉にチームが一丸となって戦いボストン市民を励ました。6月後半からは上原浩治もクローザーとして大車輪の活躍で、セットアッパーの田澤純一と共にワールドシリーズ制覇に貢献した。
8回表に田澤が「もぐらの唄」にのって登場してシャットダウンイニングを作り、本拠地フェンウェイパークの名物、ニール・ダイヤモンドの「スイートキャロライン」が響きだすとボルテージは最高潮に達した。そして、上原が9回に登場して勝利に導く方程式は痺れた。BSやCS放送でワクワクしながら観戦したものだ。
上原浩治の勝利のハイファイブ(日本でいうハイタッチ)も話題になった。
レッドソックスの野手陣は?
いつものように前置きが長くなったがレッドソックスの最近の歴史を簡単に書いた。
それでは先発ローテーションやブルペンは前回紹介したので、野手陣を見ていこう。
■捕手: 捕手はクリスチャン・バスケス、ケビン・プラウェッキー。メジャー7年目のプラウェッキーが控え捕手。彼はCOVID-19によりやや出遅れたが開幕には間に合う。これまで正捕手になったことはなくメッツ、インディアンスでも控えだった。キャッチングは評価されている。
■一塁手: 昨年メジャーデビューの25歳ボビー・ダルベック。既にオープン戦のグレープフルーツリーグでも6試合で3本塁打をマークしている。
■二塁手: 新加入のキケ・ヘルナンデス。ドジャースで便利屋として活躍したが、ようやく正二塁手として開幕を迎えることができそうだ。
■遊撃手: ボストンのリーダーであるザンダー・ボガーツは、右肩の痛みのためにキャンプの早い段階で減速した。しかしコーラ監督は、ボガーツが開幕戦の準備ができていると確信している。
■三塁手: ラファエル・デバース。ボガーツと同じスラッガーのデバースはサービスタイム3.070で2023年終了までキープできる貴重な戦力だろう。ただ、三塁の守備では18年(24失策)、19年(22失策)とリーグ最多の失策数をマークしている。
■外野手: 外野陣は左から フランチー・コルデロ、アレックス・ベルドゥーゴ、ハンター・レンフロー。アンドリュー・ベニンテンディ、ジャッキー・ブラッドリーJr.、ムーキー・ベッツの夢の外野陣だったが、もう誰もいなくなった。
昨年12月に単年310万ドルで契約したレンフローだけが実績ある外野手で、コルデロは5年目だがフル出場の経験はなくCOVID-19で出遅れている。ベルドゥーゴは期待の若手で外野陣の中心になる選手。ずいぶん戦力ダウンした感じがする。
■指名打者: J.D.マルティネス。このメンバーの中では不動の4番打者。昨年は打率.213、7本塁打、27打点、出塁率.291の自己ワーストで精彩を欠いた。
■ユーティリティ: マーウィン・ゴンザレス、クリスチャン・アローヨ。ゴンザレスは遊撃と中堅を除いて今季、レッドソックスのすべてのポジションで観ることができるだろう。アローヨがベンチ入りの最後の枠を埋める可能性が高いが、そのあたりは流動的だろう。
打線のラインナップ
1(中) アレックス・ベルドゥーゴ
2(遊) ザンダー・ボガーツ
3(三) ラファエル・デバース
4(指) J.D.マルティネス
5(捕) クリスチャン・バスケス
6(右) ハンター・レンフロー
7(左) フランチー・コルデロ
8(一) ボビー・ダルベック
9(二) キケ・ヘルナンデス
打線は相手の投手や選手の調子に応じて変わるものだが、キケ・ヘルナンデスが上位を打つ場合やスイッチヒッターのゴンザレスあたりがクリーンナップを打つことも考えられる。
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