第7弾はヤンキースの開幕スタメン&ローテ予想
第7弾は東海岸の名門ニューヨーク・ヤンキースを紹介したい。
残念ながら、この球団は田中将大との再契約をしなかったので、ほとんど興味を失った。この数年を見ていると、なぜか序盤に故障者が続出して「野戦病院」のようになるが、ほかのライバルチームに元気がなく地区優勝を続けている。
ただ、ポストシーズンではア・リーグのチャンピオンシップ止まり。それぐらいの総合力しかないのが現状だろう。
レッドソックス、オリオールズなどライバル球団の戦力ダウンによる相対的なものなのか?下記がこの5年間のヤンキースのシーズン成績だ。
2016年 84勝78敗 勝率.519
2017年 91勝71敗 勝率.562 ALCS敗退
2018年 100勝62敗 勝率.617 ALDS敗退
2019年 103勝59敗 勝率.636 ALDS敗退
2020年 33勝27敗 勝率.550 ALDS敗退
2017年ジョー・ジラルディ監督が退任して18年からはESPNなどの解説者だったアーロン・ブーンが監督に就任した。それ以降は203勝121敗、勝率.626。これは60試合制の変則シーズンだった昨年を除いた数字だ。
監督の采配以前の問題で、一発勝負を勝ち上がる総合力がないのでDC(地区優勝決定戦)止まりの成績しか残せないのだろう。
ヤンキースファンにはお叱りを受けるかもしれないが、それが2009年以来、世界一どころかワールドシリーズにすら進出できない理由かもしれない。
若手のスラッガーが台頭
ジーターなどのコアな選手たちが抜けた後でタイミングよくアーロン・ジャッジ外野手(2017年新人王)やゲーリー・サンチェス捕手、ミゲル・アンドゥハー内野手らが台頭。観客動員数は300万人をキープしている。
内部育成に舵をきったチーム強化は実りつつあるが、サンチェスとアンドゥハーはマイナー選手並みの守備力だ。
大物選手を獲得する補強戦略は健在だが...
内部育成と共に、ニューヨークという大きなマーケットが背景の資金力にものを言わせた補強スタイルは健在。
その象徴が、2018年シーズン前にナ・リーグ本塁打王だったジャンカルロ・スタントンだろう。2019年にはFA市場の目玉だった右腕ゲリット・コールを投手史上最高額となる9年3億2400万ドルで獲得した。スタントンは、まともにシーズンをフル出場したことがなく不良債権化しないか心配でもある。
そんなヤンキースでも毎年上位にいるのが、不思議でならないが、今オフは比較的静かだったような気がする。
ヤンキース 20年オフの補強状況
D.J.レメイヒューとは再契約。生え抜きのブレッド・ガードナーと単年契約。先発の田中、パクストン、ハップがFAでチームを去った後に、やや心配なコーリー・クルーバーをFA市場から獲得。パイレーツから5年目の29歳右腕ジェイムソン・タイヨンをトレードで追加している。
先発ローテーションとブルペン
1 ゲリット・コール(RHP)
2 コーリー・クルーバー(RHP)
3 ジェイムソン・タイヨン(RHP)
4 ジョーダン・モンゴメリー(LHP)
5 デイビー・ガルシア(RHP)
※ドミンゴ・ハーマーン
コーリー・クルーバーは実績のある投手だが、昨季は1イニングしか投げてない。新加入のタイヨンも19年8月のトミー・ジョン手術のリハビリで昨年は全休している。
2020年2月にトミー・ジョン手術を受けたルイス・セベリーノが開幕から復帰して以前のパフォーマンスを期待するのは無理だろう。シーズン後半の気がする。
デイビー・ガルシアは昨年8月にメジャーデビューして6試合3勝2敗、防御率4.98、FIP4.15、WHIP1.194で奪三振率8.7、与四球率1.6と制球力はある。ドミニカ出身の右腕で、まだ、21歳。番記者の予想では5番手。
インスタで引退するとか物議をかもしたドミンゴ・ハーマーン(ヘルマン)よりは有利と見ている。
どちらにしてもゲリット・コールとジョーダン・モンゴメリーぐらいで、例年になく不安定要素の多い先発ローテーションだ。
ブルペンの布陣は?
ザック・ブリトン
チャド・グリーン
ダレン・オデイ
ルイス・セッサ
ジョナサン・ロアイシガ
アルバート・アブレウ
※ニック・ネルソン
アダム・オッタビーノをレッドソックスに放出したのは意外だったが、ブリットンとチャップマンによる後半の左利きタンデムはそのまま残った。
新加入のダレン・オデイとジャスティン・ウィルソンのベテランがその穴を埋めることになるが、先発陣をリリーバーたちがカバーするパターンが増えそうで、若手のチャド・グリーン、ルイス・セッサ、ジョナサン・ロアイシガあたりが忙しくなりそうだ。
25歳右腕のニック・ネルソンも昨季は約20イニングほど投げている40人枠の選手。上の選手たちの調子が悪ければ25人枠に昇格する可能性はある。