メジャーリーグでは先日、8球団が10人のプレイヤーにクオリファイング・オファーを提示した。そのことはこのブログでも紹介した。
その後、MLB.comが2019年-20年オフのフリーエージェントTOP20を発表しているが、ハーパーやマチャドが注目された昨年に比べて質も量も豊富な今オフは、ジェネラルマネージャーら編成担当の腕の見せ所だろう。
ただ、マーケットに人材が豊富といっても喜んでばかりはいられないことがある。それは、野球専門の辣腕代理人として知られるスコット・ボラス氏を代理人とするクライアントが多いことだ。これら「ボラス案件」のクライアントは一線級の選手が多く、ボラス氏の交渉スタイルからスローなストーブリーグの展開が予想されることだ。
ボラス氏といえば過去にアレックス・ロドリゲス三塁手など超巨額契約を次々と手掛けたことで知られる代理人だが、日本では06年に松坂大輔投手(現中日ドラゴンズ)が西武からレッドソックスに移籍した際、度々メディアに露出してその名が知られることとなった。
昨年もブライス・ハーパー外野手(現フィリーズ)の当時、全米プロスポーツ史上最高額の契約が話題になり、他にも菊池雄星投手などの交渉を担当。そして今季もFA市場の動向を左右するような大物クライアントを複数抱えている。
思い返してみれば2017年-18年のオフもダルビッシュ有、ジェイク・アリエッタ、J.D.マルティネス、エリック・ホズマーがオフのFAトップ4と言われていたが4人とも決まらず年を越した。そのうちダルビッシュ以外の3人はボラスのクライアントだった。
下記は、ボラス氏の代表的なクライアントで、これでもほんの一部。全員が、今オフの移籍・契約交渉にかかわる選手ではなく、既にJ.D.マルティネスはオプトアウトの権利を行使せず、来季以降もレッドソックスに残ることを表明している
主なクライアント
★MLB現役選手
太字が今オフのFA選手/オプトアウト
ゲリット・コール
スティーブン・ストラスバーグ
ジェイク・アリエッタ
アンソニー・レンドン
ジャッキー・ブラッドリー・ジュニア
ザンダー・ボガーツ
柳賢振
ブライス・ハーパー
クリス・デービス
マックス・シャーザー
ダラス・カイケル
カルロス・ゴンザレス
ホセ・アルトゥーベ
イアン・ケネディ
オースティン・ジャクソン
ペドロ・アルバレス
マット・ウィータース
ジェレミー・ヘリクソン
エリック・ホズマー
マイク・ムスタカス
J.D.マルティネス
ザック・ブリットン
マット・ハービー
ジェームズ・パクストン
ジャコビー・エルズベリー
ジョーイ・ギャロ
クリス・ブライアント
アディソン・ラッセル
コーリー・シーガー
コディ・ベリンジャー
リース・ホスキンス
マット・チャップマン
フアン・ソト
誤解しないでほしいのは、ボラス氏ら代理人を非難しているわけではない。個人営業の選手たちが大きな組織を相手に交渉するわけだから、選手側からすればこれほど頼もしい代理人はいないだろう。少しでも良い条件を求めることは当然のことだ。