メジャーリーグ機構(MLB)とMLBPA(選手会)は14日、今季から来季にかけてのルール変更を発表した。
MLBの収入減を支えるものとしてテレビ放映権料があり、それは球団経営の基盤の一つになっているが、そこへの配慮(中継の時短)が盛り込まれた内容が多い。
日本のメディアではとくに「ワンポイントリリーフ」への制限を紹介する記事が多いが、これは左の強打者対策として“左殺し”のサウスポー投手を使っていた戦術に影響する変更点で、今回の新制度では、最低3人の打者と対戦しなければならなくなった。(下記で解説)
これも投手交代に関する放送時間の延長(試合時間短縮)に配慮した変更点だろう。
ただ、これは20年シーズンから導入される制度。それでは、今季から早速導入される制度から紹介する。
■今季から導入する制度
①イニングごとの攻守交代時間を25秒短縮して2分ちょうどに変更。(全米中継される試合の場合)
さらに、20年シーズンからは1分55秒に短縮することもできる。
②トレード期限の改正。7月31日の期限は変わらないが、それ以降のトレードは一切できなくなる。これまでは球団が選手の保有権を放棄(ウェイバー公示)すれば、8月31日までトレードが可能だった。
③オールスター戦の投票方法を2段階に。各ポジションの先発選手を決める際にファン投票上位3人に絞り込んで、その3人による決選投票を実施。これで組織票による当選を避け、よりファンの民意を反映できるようになる。
④監督や投手コーチらがマウンドに行ける回数制限を18年は6度に制限したが、19年からは5度に減らす。
■来季から変更される制度
①ロースターの拡大。これまでのベンチ入り25人枠から1人増え、26人枠となる。(ダブルヘッダーの際は27人)
9月からの「セプテンバー・コールアップ」については廃止して40人から28人に減らされる。
②故障者リストの変更は以前に戻った。10日間の故障者リスト期限を15日間に戻す。15日間の故障者リストは、2017年のシーズンから10日間に変更されていたもので、チームの首脳陣からは使い勝手のいい制度として評判が良かったが、元に戻るカタチになった。
③最初に紹介した投手交代制度の変更。故障などのアクシデントがない限り、投手は最低3人の打者と対戦しなければならない。ただし、イニング終了の場合はこれに該当しないということで、2アウトから左打者に左投手をぶつけた場合。その投手がアウトを取れば、イニングが終了し、結果的にはこれまで通りの左の強打者対策をできる。
さらに、興味深い内容の記事をスポーツライターの菊池慶剛氏が紹介しているが、今後は「野手」と「投手」を明確にカテゴライズして「二刀流選手」というカテゴリーを作り、指定された選手以外、野手が投手として登板できなくなるという。
その辺に関する内容は下の記事を参考に
大谷翔平がルールを変えた?!
MLBが来シーズンから二刀流選手指定制度を導入へ(菊地慶剛)
- Y!ニュース https://t.co/0KUC6pPAap
— メジャーリーグ物語@ウエダスポーツ (@buffaloueda) 2019年3月15日
■ルール改正の解説はMLB公式サイト参考