MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

大谷の移籍にも影響? 13日からフロリダ州オーランドでGM会議始まる

 

フロリダ州オーランドでGM会議始まる

 

昨年ほどではないが、全体を見れば人材不足の今季MLBストーブリーグ。現地13日からはフロリダ州オーランドでMLBゼラルマネージャー・ミーティング(GM会議)が開催される。

 

ただ、日本人選手だけを見ればフリーエージェント(FA)でトップクラスの評価を受けているダルビッシュ有の移籍先やイチロー青木宣親上原浩治岩隈久志らの契約の行方が気になる。

 

さらには話題の北海道日本ハム大谷翔平や評価の高いオリックス平野佳寿埼玉西武牧田和久千葉ロッテ涌井秀章のメジャー移籍など注目するポイントは多いかもしれない。

 

来季のMLBにおける様々な制度の大枠がこのGM会議で討議されることになるが、大谷翔平のメジャー移籍に影響を与える新ポスティング制度も一つの案件として話し合われるだろう。

 

AP通信が11月8日、旧ポスティング制度の活用を1年延長することで、メジャーリーグ機構(MLB)と日本プロ野球機構(NPB)が大筋で合意したと報じている。

 

そうなれば、譲渡金の上限を2,000万ドル(約23億円)と改めた現行制度で、田中将大前田健太と同じパターンで大谷の移籍交渉が進むことになる。

 

ただ、それには選手会の承認が必要で、昨年の労使交渉を見ても、すんなり現行制度が認められるとは考えにくい面もある。

 

GM会議では、これまでにもひと悶着あった。

 

13年11月、田中将大の移籍の際にも、ポスティングの新制度が話し合われ、一度は今回のように合意か、という報道も出たが、スモールマーケットの球団が「戦力均衡」などの観点から異を唱え、仕切り直しとなった。

 

結局、2000万ドルという入札額に上限を抑える案で合意された。

 

これによりNPB球団側は、13年以前の制度では松坂大輔ダルビッシュ有のケースのように、移籍と引き換えに5000万ドル以上の多額の譲渡金を得ていたが、新制度では譲渡金に上限が設定された。

 

ポスティング制度の改変は、大谷というよりも北海道日本ハムにとって極めて重要な案件になる。

 

サッカーなどを見れば、ベルギーやオランダの小さなクラブが無名の選手を育てて、イタリア、スペイン、イングランドといったビッグリーグのチームに高額で譲渡し、その譲渡金でスタジアムの改修やファーム層の充実などクラブ経営の資金にしている。

 

大谷の譲渡金を設定するのは北海道日本ハムが決めることだが、場合によっては上限が2000万ドルから下げられる可能性も十分考えられる。

 

もし、1000万ドルに変更されれば球団経営という観点から見れば大きな損失になる。日本ハムが北海道で進めているボールパーク構想などに影響を与えかねない。