大谷翔平も球団とは多少の開き
エンゼルスのペリー・ミナシアン・ゼネラルマネージャー(GM)と大谷翔平は現地時間15日(日本時間16日)、電話会見を行い、メジャー3年目を終えて初めて年俸調停権を取得した大谷翔平選手の今季年俸を、年俸調停委員会の裁定に委ねる意向を示した。
デイリースポーツなど日本のスポーツ系メディアでも一斉に報じていたが、大谷の希望額は330万ドルで、球団側の提示額250万ドルとは80万ドルほどの開きがある。330万ドルでも大谷の残した実績と話題性からすれば安い気がする。
仮にだが、昨季の打撃不振がなく、5試合程度でも先発で投げることができていたら、昨季の65万ドルから10倍の700万ドルぐらいで決まるかもしれないと考えていた。
ただ、大谷の場合は「2wayプレイヤー」というカテゴリーで査定しにくいという面もある。それに、打撃不振とコロナによる減収減益で、運が悪いといえるかもしれない。
今オフは13人が合意せず2月の公聴会へ
実際には2月に開催される公聴会まで持ち込まれるケースは多くても年間数人程度で、その前に球団側・選手側お互いが主張の中間点で妥結し、単年あるいは複数年契約を結ぶ場合がほとんどだ。
今オフは大谷を含む13人が合意に至っていない。
年俸調停(Salary Arbitration)制度とは?
メジャーリーグベースボール(以下MLB)では、1973年から年俸調停(Salary Arbitration)制度が始まった。
当時はまだフリーエージェント(FA)制度もなく、選手は保留制度に縛られ、自由な意志で球団を移籍する権利を持たなかった為、契約交渉上の不利な立場に置かれ続けていた選手たちの待遇を救済する目的で開始された制度だ。
参稼報酬調停(さんかほうしゅうちょうてい)とも呼ばれているが、ここで言う「参稼報酬」とは年俸のことで、選手と所属球団が、所属連盟に対して参稼報酬の調停を申請する制度である。一般には年俸調停(ねんぽうちょうてい)と言われる。
サービスタイム3.000から得られる権利
MLBでの登録日数をサービスタイムというが、MLBのアクティブ・ロースター(負傷者リストなど各種出場停止リスト登録中期間も含む)に登録されていた日数(Major League Service time , 以下MLS)が3.000(通算3年)に達した選手は、年俸調停権を取得する。「スーパー2」という例外もある。
採決は球団側または選手側のどちらか一方の主張を完全採用する形になる。また契約年数は必ず単年となることから近年では年俸調停の数年間分も買い取って5年や6年契約といった複数年契約を決めてしまう選手もいる。
最近ではパドレスのフェルナンド・タティスJr.が彼のFAまでの年俸調停期間の数年間を買い取った長期契約を結んでいる。
【MLB契約情報】パドレスがタティスJr.に長期オファーを提示か?
今オフに俸調停を受けそうな選手を下にまとめてみた。先にも書いたが、実際には公聴会まで持ち込まれるケースは多くても年間数人程度で、その前に球団側・選手側お互いが主張の中間点で妥結し、単年あるいは複数年契約を結ぶ場合がほとんどだ。
期限までに合意しなかった選手リスト
大谷翔平 (選手330万ドル/球団250万ドル)
アンソニー・サンタンデール (選手247.5万ドル/球団210万ドル)
ライアン・ヤーブロー (選手310万ドル/球団230万ドル)
崔志萬(チェ・ジマン) (選手245万ドル/球団185万ドル)
カルロス・コレア (選手1250万ドル/球団975万ドル)
ダンズビー・スワンソン (選手670万ドル/球団600万ドル)
マイク・ソローカ (選手280万ドル/球団210万ドル)
JD・デービス (選手247.5万ドル/球団210万ドル)
イアン・ハップ (選手410万ドル/球団325万ドル)
ジャック・フラハティ (選手390万ドル/球団300万ドル)
ウォーカー・ビューラー (選手415万ドル/球団330万ドル)
オースティン・バーンズ (選手200万ドル/球団150万ドル)
ドノバン・ソラーノ (選手390万ドル/球団325万ドル)
アストロズのカルロス・コレア内野手が、希望額と提示額との差が一番大きく1250万ドルの希望額に対し、球団側は275万ドル低い975万ドルを提示した。
▽Information source
http://www.mlb.jp/category/news/#38835