MLB移籍情報
MLB公式サイトの移籍市場の動向を伝える「Hot Stove Tracker」が気になる時期だ。
ボストンの地方紙『ボストン・グローブ』のウェブサイト情報としてワシントン・ナショナルズが、シカゴ・カブスからフリーエージェント(FA)となっている剛腕アロルディス・チャップマン投手の獲得に興味を示しているという。
チャップマンは、シーズン中に数チームの争奪戦の末、ヤンキースからカブスに移籍した。その後の活躍は、ご存知の通りで、シカゴに108年ぶりの栄冠をもたらした。
カブスがこの守護神と再契約するかは未定だが、8月1日のデッドライン前にカブスは自チームのロースターを分析して勝ちゲームのリリーバーが弱点という角度で強力なリリーバーを物色した。
その時に最優先候補は、チャップマンではなくインディアンスに行ったアンドリュー・ミラーだった。
2018年まで契約が残るアンドリュー・ミラーをトレードで獲得することにエネルギーを集中したが、ヤンキースはカイル・シュワーバーを交換要員とする要求を譲らなかったため諦めてロイヤルズのウェイド・デービスに変えた。
ロイヤルズは、ヤンキース以上の交換要員を要求したため獲得を断念したカブスは、最後にチャップマンにしたという。
その時、最大のライバルであるジャイアンツとナショナルズも強力なリリーバーを必要としており、その両球団にチャップマンを移籍させたくないという思惑もあった。
この舞台裏は、ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン記者が明かしている。その結果、チャップマンとプロスペクト4人の1対4のトレードが夏に成立した。
このいきさつを考えれば、カブスは、チャップマンの再契約に固執していないとも考えられる。
チャプマンに対してはナショナルズのほか、今季途中まで所属したニューヨーク・ヤンキース、サンフランシスコ・ジャイアンツ、ロサンゼルス・ドジャースも関心を寄せているという。
ただ、この名前が挙がっている球団は、年俸総額が高く、MLB機構と選手会の新労使協定が締結しなければ、ぜいたく税などの絡みもあって動きづらいことは確かだ。