「7.6アナハイムの失敗」
ボストン・レッドソックスのクローザーとして上原浩治の大活躍は何度か紹介してきましたが、その“きっかけ”になったのが、7月6日のエンゼルス戦。
そのときの様子を上原自身が後日、ブログで明かしている。そのブログがこれ。
ダイヤモンドバックス、第3戦
Posted by: 上原浩治
August 06,2013
四点差まで自分の仕事っていまは思ってるから、今回も投げてきましたよ(^^)
アナハイムでの失敗があった時に、監督、コーチにちょっと怒り気味で訴えたからね^^;
自分はセーブが付くことに興味が無い! どうしたらチームに勝ちが付くか。
だから、四点差になるとコーチから確認がきて、投げれる
状態なら行けるって...。
まっ、まだ無理ですって言ったことは無いけどね(o^^o)
三連投したときぐらいかな...。
あれは、監督から休みって言われていたけどね。
<略>
ここで上原の言う《アナハイムの失敗》とは、7月6日のアナハイムでのエンゼルス戦。
7-3と4点差リードの場面で他の中継ぎを登板させてピンチをつくり、あわてて上原を投入したが、4点差を同点にされて、結局、延長戦の末、ゲームを落とした。
この試合後、上原は監督室でジョン・ファレル監督に直訴した。
「4点差だろうと5点差だろうとかまわない。頭から投げさせて欲しい。僕自身はセーブを挙げることに興味はない。興味があるのは勝つことだけなんですって伝えたんです」
これ以降、上原の起用法の幅が広がり、上原の“快投乱麻”のピッチングとチームの快進撃が始まった。
今シーズンのターニングポイントになった試合です。
- 7/23 @レイズ6-2(4点差で登板)
- 7/29 @レイズ1-2(負けてる場面で登板)
- 8/04 @ダイヤモンドバックス4-0
- 8/17 @ヤンキース6-1
それ以降、3点差以外でも投げた試合はこれだけある。
両翼の狭い本拠地フェンウェイパークは、明らかに打者有利の球場で、「3点差はセーフティリードとは言えず、その基準を広げる必要がある」とする見方がある。数チームを渡り歩いた上原もマウンド上で、それを実感しているのだろう。
上原には、レンジャーズ時代、シーズン終盤でアスレチックスに3連敗し162試合目に地区優勝を逃した経験があり、1勝の重みを痛感している。
球数制限や分業制が徹底しているメジャーで、個人の記録よりも「For the team」に徹する姿勢を高く買いたい。おそらく首脳陣もそれを感じたに違いない。
「野球の神様」はそんな選手にご褒美を与えているのだろう。